第521回
不動産企業の過去と現在
深センB株式市場に
1993年5月万科企業(コード:200002)が上場しました。
上海B株式市場に
1994年11月上海陸家嘴開発(コード:900932)が上場しています。
万科企業は深セン市に本社を置き不動産の住宅開発を行っています。
2001年に小売業からは完全撤退した後は不動産業に集中し
売上げでも伸ばしてきました。
上海陸家嘴開発は中国の国家開発プロジェクトとして
上海浦東にある陸家嘴金融貿易区を中心に開発と建設。
ハイテク、金融、通信などの業務を行っている不動産業者です。
上海市の陸家嘴金融貿易区内は
中国が経済の面からも発展していく上では一番重要です。
もし陸家嘴の金融貿易区内が発展できなければ
中国自身も発展できないと同じ意味を持ちます。
ですので上場時から
上海陸家嘴開発は優良銘柄として
投資家の注目を浴びてきていました。
私が中国企業で一番最初に購入した企業は上海陸家嘴開発でした。
上海陸家嘴開発は中国と発展していく企業として選び投資しました。
ではその後の結果はどうなったでしょうか。
確かに陸家嘴の金融貿易区内は今まで発展してきています。
では同社への投資利益はというと
そう大きな利益には結びついていません。
上海陸家嘴開発は上場後4割無償を2回行っています。
株数でも1.96倍に増えました。
ですが業績の上では最近では大きくは伸びていません。
2001年から2004年までの売上げでの業績推移を見てみます。
業績推移
売上高(百万人民元)
年 |
04年12月 |
03年12月 |
02年12月 |
01年12月 |
売上高 |
2,103.57 |
2,271.27 |
2,153.48 |
999.01 |
前年同期比 |
-7.4% |
+5.5% |
+115.6% |
+50.6% |
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上海陸家嘴開発の本社には私自身2回伺っています。
そのときに今後の収益を伸ばしていくには
どのようなことを考えているか、という問いに
同社は北京で不動産業を展開していくことで
収益を上げていくといっていました。
また、2010年の上海万博のときには
同社にとっての恩恵はあるのか、という質問に
万博地域から外れるために恩恵はないという返事でした。
では同社の収益は今後どのように上がっていくかを考えますと
上海陸家嘴地域に面した土地の所有権を
国から譲り受け開発していく、という返事でした。
ここで私自身考えてしまいました。
今後大きく発展していく余地は少ないのではないか、と。
ですが本業のほかにも広告、ホテル、倉庫や外食など
幅広く手がけており、建屋のリース収入も
今後の収益源として伸びていくことが期待できます。
ですので大きな利益にはなかなか結びついてはいきませんが、
現段階では長期で投資を考えていくならできるというところです。
過去に同社に対しては将来性に大きな期待が持てるということで
非常に高い評価を下していました。
ですが、現段階は高い評価というより
優良企業には間違いないであろうが、
収益では大きな伸びは期待できない企業の中に入ってきています。
また、その当時中国企業で上場していた企業で目立ったのは
不動産企業では万科企業と上海陸家嘴開発くらいでした。
この2銘柄を比べたときには、
私自身上海陸家嘴開発を高くかっていました。
<次回に続く>
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