第461回
中海コンテナ運輸の本決算から
中海コンテナ運輸(コード:2866)は
大手コンテナの輸送業者で
香港上場企業の中海発展(コード:1138)の兄弟会社です。
同社は2004年6月に上場したばかりの企業で
売上構成は定期船99.3%、
残りが用船契約で0.7%となっています。
中海コンテナ運輸(コード:2866)の2004年12月本決算から
売上高 --- 223億6385万1000元 前年同期比 46.40%増
純利益 --- 40億2240万9000元 前年同期比 190.87%増
EPS --- 0.8元 前年同期比 73.91%増
配当 --- 0.20元
今期の売上げが大きく伸びた要因としては
コンテナ輸送市場の伸びが利益を大きく押し上げています。
今後は値上げを検討しており、
年内にも国際航路8便の運航を開始する予定です。
3月10日の株価では3.800香港ドルでPERで5.04倍となっています。
一般に投資できる企業に対しては
PERで10倍をきっていたなら投資を考えることができます。
ですのでPERが5.04倍というのは非常に魅力的な数字です。
また株価では3.800香港ドルで
今回出す配当金0.20元に対して配当利回りで計算してみますと
約4.947%となります。
日本の銀行の定期でも
1%以上になる商品はまず少ないのではないでしょうか。
それが5%近い配当利回りですから
配当金だけでも投資したくなります。
では同社に対して投資できるのでしょうか。
今後コンテナ輸送業者は
売上、収益とも暫くは高値で推移して行くでしょう。
現時点では投資を考えられる企業に入ります。
ただ、最近の安値では2005年1月24日につけた2.875香港ドルです。
また最近は同社の利益が好調なことから
2月にはいって3.4香港ドル前後から株価では急上昇しています。
ですので株価では業績をかなり折り込んだ株価水準です。
今後のコンテナ事業ではどのように伸びていくでしょうか。
コンテナ事業のピーク時は2006年から2007年と見られています。
ですからその後は船舶でも供給過剰が始まる可能性があります。
海運業界では市場が拡大するのに備え
いっせいに船舶を増産してきました。
ですが、原材料の鉄鋼価格が上昇したことにより
船舶製造価格に跳ね返ってきています。
この分運賃に対しても上昇してくれれば問題はありませんが、
そうならない場合には
売り上げは伸びても収益では上がらない、
ということにもなりかねません。
ですからこの点を考慮しなければいけません。
ですが、逆の見方もあります。
今後は船舶の需要は中国や米国だけにとどまらず
BRICsでも使われ
ブラジル、ロシア、インドを含めたアジア地域、
および欧州でも需要が拡大していくという見方です。
このときには売り上げと収益でも伸びていくでしょう。
このような点を考慮しながら
同社のような企業へは投資を考えていくことが必要です。
全部がいいということはありません。
マイナスの出来事を検討しつつ
今後世界の経済発展を照らし合わせながら
投資できる企業なのかを見分けていく必要があります。
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