イラストレーター・小泉鉄造さんが
明かしてくれる、株式投資の虎の巻

第435回
レノボグループが買収計画に障害?

ハンセン指数構成銘柄の中に入っていて、
レッドチップ指数構成銘柄でもある聯想ブランドで
パーソナルコンピューターの販売・生産を行なっている
レノボグループ(コード:0992)が
IBMのパソコン(PC)事業を買収する計画で
話は進んでいました。

ですが、今回対米外国投資委員会(CFIUS)が
レノボの買収計画に関心を寄せ、
IBMノースカロライナ州の科学技術研究基地が、
産業スパイおよび軍事用途に利用される可能性があるということで
米国の国家安全が脅かされる恐れがあると懸念しているとして
正式に調査を行なうとしています。
米国の法律では、CFIUS委員が30日以内に買収を承認しない場合は、
委員会は正式に調査を開始しなければならないとしています。
また調査結果は大統領に提出され、
最終的な可否が決定される事になります。

レノボは先月初めに17.5億米ドルで、
IBMのパソコン事業の買収を発表して話題をよびました。
買収予定の資産には、米国ノースカロライナ州ラリー市、
神奈川県大和市および中国国内の事業事務所
および科学技術研究センター、多数の特許権、
ノートパッド型コンピュータ“Think”ブランド、
また“IBM”ブランドの5年間の使用権が含まれています。
IBMのパソコン事業は
2003年度約2.58米億ドルの損失を計上していて
一部市場関係者はレノボの買収に関しさほど好感はしていない、
との見方も出ています。

またIBMのパソコン事業は
マイナス資産および赤字の事業であり、
この計画が取りやめになれば
レノボの投資リスク軽減に有利である、という意見もあります。
ですが、中国国内市場での競争は依然として激烈で、
レノボグループの先行きについては、依然楽観はできません。

・2004年度9月中間決算から
売上高 --- 115億3300万香港ドル 前年同期比 0.5%減
純利益 --- 6億2700万香港ドル 前年同期比 16.2%増

低価格パソコン投入で平均販売価格が25%低下しており、
また市場でも競争が激化しており
収益になかなか結びつかない状況です。

同社は中国で最大のパソコン最大手企業です。
同社は確かに大型企業で
2004年度中間決算売上でも約1500億円ある大手企業です。
ですが、私達投資家からみたなら
投資できる企業かどうかに疑問が出てきます。
株式投資では大手企業であるかどうか、
売上高がどれだけあろうが大事なのは収益の伸びで
投資家にどれだけのメリットを与えてくれるかが大事です。

例えレノボがIBMのパソコン(PC)事業を買収したとしても
大きく収益が向上していくのは難しい状況でしょう。
パソコン業界は今後も競争激化で
売上が大幅に伸びても収益拡大が見込めません。
このような大手企業は
投資ファンドのような資金が
投資の安全面から入っていくでしょうが、
利益率から考えれば
投資効率の指数でも下げていく可能性が大きい企業です。
このような企業に投資するのでしたら
ほかにもっと利益をだしてくれる企業があります。
ほかの企業への投資を考えたほうがいいでしょう。



当ページは、投資勧誘を目的として作成されたものではありません。
あくまで情報提供を目的としたものであり、一部主観及び意見が含まれている場合もあります。
個別銘柄にかかる最終的な投資判断は、ご自身の判断でなさるようお願いいたします。


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2005年2月4日(金)

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