第349回
中国本土B株指数
香港市場のH株企業の指数は
昨年度に比べ約2倍になりましたので
株価でも業績のいい企業の株価が上がっていったのは
よく分かりました。
中国本土B株市場では
1年前と株価の点ではそう上がっているわけではありません。
香港市場の中国企業と、中国本土B株市場を見比べていきますと
面白いことに気がつきます。
それは一株利益(PER)に対しての変動です。
香港市場の優良企業では二桁増益、
中には三桁増益になっている企業も見かけます。
ですからそのような企業は一株利益でも上がってきていますが
H株指数自体が2倍になっていますので
利益率でも2倍にならない限りは前の年と同じPERにはなりません。
面白いのは中国本土B株指数です。
昨年の上海B株指数では
100ポイント以下にはほとんどなっていませんでした。
現在ではポイントで100ポイントを割っています。
今までB株に対しては
株価のわりにPERが高いということが言われてきました。
PERが高いということは
一株利益に対してどれくらいの株価で買われているかで見たときに
株価では高いということです。
例えば1株に対し1円の利益をあげている企業の株が
30円で売られていたときにはPER30倍となります。
この企業が株価分の利益を上げるのに
現段階では30年間かかるということです。
他の企業で1株に対し1円の利益を上げていて
株価が10円であったときには10年間で利益分の株価になります。
この場合は30円の株価の企業より
10円の企業の株価が割安だということがいえます。
今年に入りB株企業の中には前の年に比べ二桁、
中には三桁数字で業績を伸ばしている企業も出てきていますので、
業績では伸びている企業が多くなってきています。
ですが上海B株指数では前年より下回っているということは
今までB株市場の上場企業のPERが
低くなってきているということです。
ですので投資できる企業としては投資妙味が出てきた、
ということでもあります。
香港H株の大手電力企業のPERは現在15倍程度です。
ですが、シンセンB株企業の
広東電力でのPERは10倍前後となっています。
PERだけで見たときには広東電力のほうが魅力がでてきています。
この1年程度の期間でPERを見た時には
企業への投資期待変動が数字のうえでもわかってきます。
電力企業に投資を考えるときにはPERを見ていきながら、
企業の成長性、配当利回りなどを検討し、
市場性での魅力等から投資できるかどうかを検討していけば
投資できる企業かどうかがある程度見えてきます。
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