第303回
ハードランディングを回避したい中国
今年の9月に
中共四中全会(中国共産党第16期中央委員会第四回全体会議)が
開催されます。
会議では経済での“ハードランディング”をいかに防ぐかが、
焦点となるでしょう。
中国共産党中央総書記の国家主席 胡錦涛氏は、
先頃温家宝首相のマクロコントロール政策に対し
改革発展は現在非常に大事な時期にあり、思想を統一し、
マクロコントロールの各政策をしっかりと実施し続けることが
肝要であると言っています。
温家宝首相は、マクロコントロールによる今までの成果は
基礎の段階で今後もマクロコントロールを緩めたり、
途中で放棄したりすることはできないとし、
下半期も中央政府が決定した各政策を
着実に実行していく必要がある、と説いています。
下半期は現在達成済みの成果をより堅固なものとしていきますが、
今後は新たなマクロコントロール政策が
実施されることはない見込みです。
もし逆に投資、融資の伸びの落ち込みが急速すぎると、
経済の“ハードランディング”を引き起こす危険性があり
これは絶対防がなくてはいけません。
下半期は融資構造を向上させたうえで
企業に正常な流動資金融資を提供し、
進出条件に合ったプロジェクトの建設を応援し、
適度な融資の緩和を行う事になるでしょう。
中央政府は基本的な考えとして、
上半期に実施したマクロコントロール政策は有効でした。
また下半期に対しては
新たな緊縮政策を打ち出すことはないでしょう。
これは4月から実施した投資および融資を抑制するための
行政手段が強力すぎたと考えていて、
そのため5月、6月の投資、融資の伸びの落ち込みが
急速にでてきた為です。
5〜6月の新たに増加した銀行融資は
昨年同期に比較して3,800億元減少して、
6月末の通貨供給量(M2)の伸びも
また16.2%に落ち込んだ為で、
これは中央銀行が当初設定した伸び率17%前後という目標よりも
低くなりました。
中国ではバブルなき安定した成長ができるように
政府でコントロールしていきます。
このような中で恩恵を受ける企業に対して
投資を考えていくことができます。
特に中国の発展に必要な業種、
インフラ関連は伸びていくことが予想できます。
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