イラストレーター・小泉鉄造さんが
明かしてくれる、株式投資の虎の巻

第295回
配当金と元本

投資した企業の持ち株が
数年後に10倍になることも可能性として考えられます。
ですが投資家心理として
株価が2倍になった時点で利益最優先で売却を考えることには
疑問が残ります。
投資した株が2倍になった時点で
持ち株の半分を売却すれば投資資金を回収でき、
しかも手元に残った株は
ただで手に入れたことと同じになりますので、
これも投資方法のひとつです。
また手元に入った元金を使い投資したい企業があったとしたら
再度その企業に投資することもいいでしょう。

ですが、そうではなく
下がることが怖くてしかたがないので売却する、というのでしたら
あまり賢いやり方ではありません。
また元本の回収を考えるのでしたら
投資期間は長くなりますが
配当金を貰う事で解決できる方法もあります。

例として華能国際電力の配当金からみて見ます。
・華能国際電力
2002年配当金 --- 0.342人民元
2003年配当金 --- 0.500人民元
2002年に5香港ドルで購入した場合の配当利回りです。
2002年 --- 約6.4%での利回り
2003年 --- 約9.3%の利回り

電力企業は今後伸びていける業種ですので
売上、利益が上がるにつれて
配当でも上がって行くことが考えられます。
2002年の利回りは約6.4%で
2003年では約9.3%の利回りですから
1年間では2.9%も上がっています。
ですから単純に考えますと
年間2.9%上がっていくのでしたら
2004年の配当金の利率は12.2%という事になります。
ですが実際は配当利回りでの値上り率で見ますと
約45%値上りしたことになります。
これが10年間続いたときには
配当利回りでもとても大きなものになります。
2002年が6.4%でしたら、2012年では262%と計算上ではなります。
つまり投資した金額に対して配当金が2.62倍つく計算です。
例えば100万円投資していたときには
2012年には262万円が配当金として入ってくることになります。
(あくまでも計算上のうえでのことです。)
現実にはこのようになることは考えられませんが、
計算上ではこうなります。

ここまでいかなくとも
毎年配当金が2003年から年間1%ずつアップした場合は
10年後に投資金額に対し19.4%の配当金になります。
平均で15%程度だったとしても
7、8年程度で
配当金だけで投資金額が回収できることになります。
100万円投資したとしたら
7、8年程度で全部の配当金額を足すと100万円程度になる、
ということです。
ですから株式投資では2倍になったら売却を考えるよりも
投資した企業の成長性を見ていき
成長できる企業であるならば
売却を考える必要はない事になります。
数年後に10倍になる可能性がある企業でしたら
売る必要はありません。
将来もっとも大きく利益をあげれる企業を売却することは
投資においては成功ではなく失敗に入ります。

将来値上りしそうな錦鯉がいたときに
その場で売却したら利益にはなります。
ですが後数年間育て上げて成長した錦鯉を市場に出荷した時には
もっと高く売れて大きな利益を与えてくれます。
中国株式市場でいえば
錦鯉にあたる企業に投資したとしたら
今売却する必要はありません。
十分成長(育ってから)したときに高値で売却すればいいのです。



当ページは、投資勧誘を目的として作成されたものではありません。
あくまで情報提供を目的としたものであり、一部主観及び意見が含まれている場合もあります。
個別銘柄にかかる最終的な投資判断は、ご自身の判断でなさるようお願いいたします。


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2004年7月26日(月)

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