第289回
遠東生物製薬科技のその後
中国の民間製薬会社の
遠東生物製薬科技
(ファーイースト・ファーマシュティカル・テクノロジー
コード:0399)の蔡崇真会長が
株価暴落後に自己の保有株式を売却していたことが7月に入り
香港証券取引所の公表でわかりました。
蔡会長は6月21日に平均0.09HKドルで3億4398万株を売却し、
持ち株比率は57.97%から42.16%に低下しています。
同売却額は、同社株価が大暴落し、
取引停止となった直前の株価(0.068HKドル)に対して
32.35%のプレミアム水準となっています。
ですが、株式売却は取引停止後に行なわれています。
実際にはどのような形で売却されたかはわかっていません。
7月5日の報道で、蔡崇真会長および関係者4人が
中国福建省の公安局に逮捕されたと発表しました。
会長本人は現在保釈され裁判の開始を待っているということです。
蔡会長はこの申告書偽造用の版下を自ら保管していたとされ、
内部告発があった可能性もあります。
中国では、脱税や公文書偽造の罪は極めて重く、
偽造罪だけが問われた場合でも、
最低15年以上の懲役判決になります。
今後は発表待ちとなります。
今回のような出来事は
一般投資家にとってわかることではありません。
事件が表にに出て初めてでわかることです。
ですからこのような事件がでてくる前に
市場に注意をしておくことが大事になってきます。
個人投資家が守るべきポイントとしては、
・情けは不要
情け不要とは各自が民間企業株を買う場合、
損切りを行う覚悟で投資を行うことです。
・常に注意しておく
企業の経済状況、企業動向には充分注意を向けていくことです。
・リスクをヘッジ
過去の事例から見て、市場で噂が出ただけでも
株価はすぐに2、3割下落します。
・手を切るのも大事
よい企業と思ったら即買い、危ないと思ったらすぐ放す、
このような方法もあります。
いたずらにリスクを増すだけの投資は避けるべきです。
中国株に投資する場合は分散投資を心がけたほうがいいでしょう。
分散投資といっても各銘柄に分散する、ということではなく、
安全度の高い企業への分散です。
安全度の高い企業とは、
1.国有企業で国の政策でも必要不可欠な企業
たとえば国のかかわりが深いインフラ関連の業種、
石油関連、電力企業、高速道路、などになります。
2.地方や省がかかわっている企業
インフラ関連企業でも国がかかわっている企業や
省がかかわっている企業があります。
たとえば電力企業でも広東電力(コード:200539)は広東省が
セッコウ東南発電(コード:900949)はセッコウ省が
関係しています。
3.民間企業の上場企業
民間企業では超大現代農業などが有名ですが、
最近は他にも続々民間企業が上場してきています。
国営企業でも民間企業でも優良企業は多く上場しています。
今の段階では国営関連、民間企業へ投資する資金に対しては
偏りがないようにバランスを見ながら
投資資金を振り分けたほうが安全な投資ができます。
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