第264回
自動車政策の改定
中国は輸出が目的の合弁生産会社への外資の出資比率で
50%以上を認め即日実施しています。
また提携する中国企業の数にも制限を設けていません。
中国は外資の積極導入で
輸出競争力をつける企業を育てようとしています。
ですが国内向けに生産する企業に対しては
合弁できる企業は2社までとし、
新たに新規参入するのは総投資額で20億元(260億円)以上で
研究開発拠点を義務付けました。
中国には現在120社以上の自動車メーカーが乱立しています。
今後は経営能力が劣る企業は淘汰し、
国内で15%以上のシェアーを持つ
大規模な自動車グループ数社にするように目指していきます。
この処置は外資規定を設けたことにより過当競争を回避し、
自動車生産、輸出の拡大を目指すことになります。
また環境汚染対策でもハイブリッド車などの開発を国が支援し、
2010年までに国産乗用車の平均燃費を
15%改善させる目標を定めました。
今回の中国の政策で見えてきたことは
世界の自動車メーカーと合弁させることにより
中国の自動車会社も育っていき、
利益も上げていくという戦略が見えます。
中国は自国で海外に対抗できる企業を育て上げない限りは
結局は下請けだけの生産大国で終わってしまいます。
中国で勝ち組に入る企業としては日本のホンダ、トヨタ、
ドイツのフォルクスワーゲン(VW)、アメリカのGM、などが
有力候補です。
中国は企業平均燃費規制への導入を決めていますので
ホンダ、トヨタは先駆けて実用化しています。
両社にとっては環境は悪くありません。
自動車産業に投資を考える時には
勝ち組でトップ企業、2番手までに投資することです。
ホンダは提携している企業で
デンウェイ(0203)が上場していますが、
トヨタの中国での系列企業は香港市場にはまだ上場していません。
ですから今後上場してきたときには
投資できるかどうか見ていくことになりますが
長期戦で見ていくことが必要な業種です。
|