第237回
2003年度本決算から、その1
4月にはいり中国企業の2003年決算発表出てきました。
各業種での企業から実態を見ていきます。
まず不動産業からです。
不動産企業で2003年度本決算から
シンセンB株市場の万科企業(コード:200002)
からみていきます。
売上高 --- 63.8億元 前年比+39.5%
純利益 --- 5.4億元 前年比+41.8%
EPS --- 0.37元 前年比+37.0%
配当 --- 0.05元
株式配当 --- 5割無償
同社は不動産開発業者の中でも
深セン不動産開発業者のなかでリーダー的な存在です。
国内でも高い知名度を誇っており、
主力開発物件の「シティ・ガーデン」等は有名です。
万科企業の本社に私自身2001年に伺っています。
本社の建物はそう大きくないのですが
(と、行っても大きいのですが)
モダンな建物で一見すると中国とは思えない雰囲気でした。
同社の不動産投資物件は中国でも多岐に渡っており、
北京、上海を拠点として各地域で住宅建設を行なっていますが、
小さな物件ではなく大きな、
少なくとも1000人以上が住むことができる住宅建設
(シティ・ガーデン)です。
同社は海外、中国人の投資家に人気のある企業で、
2002年期末で10割無償を行なっています。
2003年、今日発表した業績でも
株式配当、無償含めて5割が出ます。
つまり、昨年の決算発表前に購入していた株主は
株数だけを計算すると1株持っていたときには
3株に増えていきます。
昨年5月の配当権利落ちに購入しておけば
1000株持っていた投資家は3倍の3000株に増えています。
このように株数でも増やしていけるのが中国株です。
また、2003年度本決算から上海B株の
上海陸家嘴金融貿易区開発(コード:900932)を見てみます。
売上高 --- 226,551.60万元 前年比+5.20%
純利益 --- 66,401.55万元 前年比+29.63%
EPS --- 0.36元
配当 --- 0.06元
同社は上海B株市場の代表銘柄でもあります。
中国国家開発プロジェクトとして
陸家嘴金融貿易区を中心に、不動産開発を行っています。
この13年間で130社余りの金融機関、
1200社余りの貿易会社、
約4000社の法律、会計、コンサルティング事務所などが
貿易区に進出しています。
今期は利益率の割合に配当金が少なくなっています。
同社は2010年の上海万博に向かって
延びていく可能性が大きい本命の企業です。
今後が期待できる企業です。
もう一銘柄、香港市場の企業です。
2003年度本決算から、上海復地(集団)(コード:2337)
売上高 --- 2,182.03百万元 前年比+4.12%
純利益 --- 448.85百万元 前年比+31.53%
EPS --- 0.303元 前年比+31.17%
配当 ――
同社は香港市場に今年、2004年2月に上場したばかりの企業です。
上海市の最大手不動産開発業者の1社で
住宅物件の開発・販売を行なっています。
売上では上海第4位の不動産会社で
開発する不動産は上海に集中しています。
今後は上海13カ所、武漢2カ所、南京2カ所に
開発を予定しています。
今年土地購入のために40億人民元の資本支出を計画しています。
現在同社は16億人民元の資金があり、
今年の販売の現金収入で開発を行いますので
年内には新たに融資計画は行なわない予定です。
対象顧客は上海市の中産階級で中産階級人口増加に伴い、
高級集合住宅市場は需要が伸びています。
ですがここで気をつけたいのが同社は上場したばかりの企業です。
今後の動向を見ていく必要がある企業です。
このように魅力がある不動産企業が上場しています。
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