イラストレーター・小泉鉄造さんが
明かしてくれる、株式投資の虎の巻

第198回
携帯電話企業

中国では2003年の携帯電話生産量は
2002年を2割上回る1億6000万台となりました。
世界全体の携帯出荷台数はおよそ5億3340万台となっています。
中国の国内販売台数は7400万台前後となっています。
このうち、55%が中国国内メーカーの製品で占めています。
今年の中国の生産台数は昨年を上回り
1億7000万台と見込んでいます。
ですが、一方で国内の携帯電話の新規加入者は
昨年とほぼ同数の6000万件前後と見られ、
買換え需要を含めても生産台数の半数以下となります。
残りの携帯電話は輸出に回ります。

これまでは海外へ出る輸出品は
海外から受注を受け部品を組み立てる委託加工品や
外資メーカーが現地生産した製品が主役でした。
今後は中国メーカー自身が
自社製品を輸出に回すケースが多くなりそうです。
中国企業でも生産能力や品質管理を強化した企業が
生き残っていきそうです。
中国では今まで比較的に簡単に製造できる製品は
ライバル企業が多く出てきて製品過剰になる可能性があります。
(と、いうよりでてきます)

今まで生産過剰になったケースとして
過去の例から見ますと
カラーテレビ、洗濯機などの企業がありました。
テレビでは2000年に入りシンセンB株企業の
康佳集団 (コンカグループ、コード 200016 )は有名で、
1999年12月期には 0.4元の配当と0.1株株配、
中間期には0.3元の配当を行なっていました。
ですが、その後は製品の市場飽和、供給過剰などから
中国全土で繰り広げられる値引競争で負け、
今では見る影もありません。
勝ち組の企業は
TCL国際 (TCLインターナショナルコード1070)
となっています。

洗濯機メーカーでは上海B株上場の
仙水電気が上場廃止になっています。
こちらの勝ち組は長虹電気などとなっています。
エアコンを製造していた企業でも
勝ち負けの優劣がハッキリしてきていました。
たとえば、上海B株企業の上菱電気などは
前身は有名なエアコンメーカーでしたが、
最終的には赤字におちいり一時は倒産説まででてきました。
私自身1997年に上海に行ったときには
同社のエアコンが街中で取り付けられているのを見て
伸びるのではないか、と確信したのですが、ダメでした。
現在同社は日本の三菱からエレベーター部門の技術指導をうけ
優良企業に変身しています。

今後携帯電話生産量は伸びていくことは確実です。
ですが、投資を考えるときには
このような業種、または企業を
避けることが大事だという考え方もあります。

たとえ勝ち組に投資したとしても
競争に打ち勝つまでには企業の体力が消耗することは確かですし、
これだけを考えれば
投資の条件をクリアーしていないように見えます。
ですが、そのような企業でも
将来的にトップに立つ企業であることが確実であれば
投資を検討することができます。
まして、技術力、ブランド力がある企業なら
積極的に投資を考えてもいいでしょう。



当ページは、投資勧誘を目的として作成されたものではありません。
あくまで情報提供を目的としたものであり、一部主観及び意見が含まれている場合もあります。
個別銘柄にかかる最終的な投資判断は、ご自身の判断でなさるようお願いいたします。


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