イラストレーター・小泉鉄造さんが
明かしてくれる、株式投資の虎の巻

第188回
上海振華港機械の本決算から

今日上海B株企業の上海振華港機械(コード:900947)が2月に入り、
2003年度の決算発表をしました。
内容的には充分驚かせてくれています。

売上高 4,628百万元 前年比+50.5%
純利益 277.7百万元 前年比+102.7%
EPS   0.61元   前年比+103.3%
配当(1株当たり):0.4株株式配当、0.6株無償配当、0.2元現金配当

今回の配当安で一番驚くことは
株式配当、株式無償両方をたすと10割の株配のほかに
現金で0.2元だすというところです。

私自身同社に2002年、2003年と、
2回ほど同社の本社を訪れています。
昨年は11月14日に同社を訪れていました。
昨年訪れた時の感想から今回の配当案までの道のりを見てみます。

11月訪れた時には、世界最大規模のコンテナクレーン製造基地が
長興島に完成したばかりでした。
長興島は上海市の西側の長江の下口にある島で、
東から西に細長く伸びています。
その川沿いに全長3500メートルに及ぶ
コンテナクレーン製造基地を完成させました。
この長興島の
全長が3500メートルという長さの工場は世界でも最大です。
同社はここで組み立てから完成品にして運ぶことによって
より効率的な作業ができ、納入期間も従来より短くなり、
コストも下がっていきます。

同社の売上が上がっているのは分かっていましたので、
その場で今期(2003年度)の配当案についても質問してみました。

答は
「配当金は純利益率の50%を予想しており、
無償株がでるかどうかは分からない、
4月の株主総会までは何もいえない」
と、言う極めて優等生的な返答でした。

私がこのときに気になっていたのはコメントの中で、最近
UBS(スイス銀行)JPモルガン(証券)が
同社株を購入した為に株価が上がった、というところでした。
海外のファンドは同社を高く評価していたのです。

また、もっとも気になったのが、
上海B株市場の中でも1米ドルを超えていたのは同社のみで、
あとは1米ドル以下の株価の銘柄だけでした。

この時点で「同社は無償株を発行する確率は高い」と
私自身は思えたのですが、安易なことはいえませんでした。
同社は2001年に受注したクレーンに関し
ロッテルダム港とハンブルク港向けの販売で納期が遅れ、
7217万人民元の割引を行ない収益が減ったことがありましたので、
そのような事態がまたでてこないとも限りません。
また、各地の港湾が
契約の実施時期を先送りするようなことがでてきたら
やはり収益は下がっていきます。
ですから安易なことはいえないのです。

<次回に続く>



当ページは、投資勧誘を目的として作成されたものではありません。
あくまで情報提供を目的としたものであり、一部主観及び意見が含まれている場合もあります。
個別銘柄にかかる最終的な投資判断は、ご自身の判断でなさるようお願いいたします。


←前回記事へ 2004年2月26日(木) 次回記事へ→
過去記事へ 中国株 起業 投資情報コラム「ハイハイQさんQさんデス」
ホーム
最新記事へ