第174回
中国国有企業の経営者に年俸制導入
中国は中央政府が直接管理する
大手の189社の会長または社長に対して
企業規模に応じて年収を決めると、発表しました。
昨年から導入した広東省のケースでは、
基本年収は9万6千元から12万元
(日本円で130万円から160万円程度)の間です。
業績や目標の達成度に応じて変動分が支払われ
最低でゼロ、最高で3倍となっています。
今までの経営者の報酬は
自分で決めているケースが多かったのですが、
以上のように改正されます。
多くの国有企業は株式会社に改編、
海外からの資本導入によって所有権を国から分離させ、
企業の自立を目指してきています。
大型国有企業は国の基幹産業を支えていますので
中国の国家自体がすぐに手放すとは思えません。
ですが、報酬を支払うことで
経営責任を明確にしようという取り組みは評価できます。
これは国有企業の場合ですが、
では私営企業の場合はどうでしょうか。
浙江省の2003年の新規登録私営企業は8万8730社で、
私営企業数が全国第二位に達し、
年間新規登録記録を更新しました。
私営企業総数は30万社に達しています。
トップは江蘇省の32万社であと2万社と迫っています。
国有企業に勤めていて給料を貰うのか、
自立して企業を立ち上げお金持ちになるのか。
私営企業を立ち上げた人民は朝夕をとわずに働くでしょうから、
大きな利益をあげていく事になります。
そのような企業が今後も上場してきますので、
上場時には投資対象として判断していくことになります。
このように国有企業のトップだからといって
平々凡々としている時代は終わっています。
私自身は年俸制で我慢できる経営者は少なくなると見ています。
中国がいよいよ国有企業の時代から
民間企業の時代へと変身しています。
今はまだほんの一筋の川の流れですが、
しばらくしたらその流れは本流となり
中国全土を覆いつくす可能性があります。
ここでは将来期待で
民間企業の上場企業に投資をしていくのが
本流に乗った投資戦術かもしれません。
時代は流れています。
その流れにそって投資した投資家が
最終的に大きな利益をつかむ可能性があります。
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