第162回
2004年、SARS騒動と株式市場
2003年の12月29日に広州でSARS(重症急性呼吸器症候群)の
患者が見つかりました。
患者は広州市内の病院で隔離治療を受け、
2004年の1月8日に退院しました。
(この患者との接触者81人のうち、
密接接触者と確認されていた42人は
全て医療観察から解放されています。)
また2004年に入り、7日午後、広東省で
新型肺炎SARSに感染した疑いがある女性が見つかりました。
広州の第一人民病院で検査後、
すぐに市内の第八人民病院で隔離治療を受けています。
12日にはもう1名確認されましたが現在は通院しています。
もし、今年SARSが大流行するようなことがあれば
当然中国の経済に多大な影響を及ぼします。
このようなことが起きた場合には
中国の企業にも業績の面で影響がでてきます。
当然株式市場の株価にも伝道し、下がることが考えられました。
SARS予防の対策として決め手になる治療方法は
いまだに見つかっていないのです。
ですから、新患者が出たということで
本来はもっと大きく報道されたり、
株価にも影響していいはずです。
ですが、中国政府は去年の春のSARS騒動のことで
事件の重さを再認識して
あらゆる手段を講じて対策を立ててきました。
また、企業でも自主的に対応を行ってきていました。
ここからSARSの患者が多くでない限りは
ここから問題が大きくなることは考えづらくなっています。
2月に入り18日、温家宝首相は、
「SARSとの戦いに勝利したと宣言した」と発表しました。
いままで広東省で感染者が3人確認され、
そのうち2人は既に回復し、1人はまだ入院中ですが、
容体は安定していることを受けての決定です。
今後SARSで中国市場の株価が下がる可能性は
なくなりつつあります。
ですが、他の原因不明の難病が出てきたときには
株式市場は急落する恐れがあります。
何か大きな病気が出てきたときには世界中の話題になるときで、
株式市場でも株価に大きな影響を及ぼします。
世界で今後中国とは限りませんが、
どこかで難病が発生した時にはまた
世界のどこかの株式市場に影響を及ぼすことになります。
そのことを去年と今年のSARSの例が教えています。
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