イラストレーター・小泉鉄造さんが
明かしてくれる、株式投資の虎の巻

第107回
QFIIとQDII

2002年、中国はQFII
(海外機関投資家による
中国国内への市場にファンドによる投資の解禁)
を行うことを表明し、
QFIIは2003年の6月に実施されました。
このこと自体は、今まで中国国内に
海外のお金での投資ができなかったのですから
画期的な事でした。
中国株式市場への投資資金には制限がありますが、
この事は、中国の株式市場が
一歩海外開放に向かって前進した出来事でした。
ではQFIIを海外の投資家がどのように受けとめたかというと、
投資資金の規制が思ったより厳しかったために
期待はずれということで株価は大きくは変動しませんでした。

では今後行われるQDIIは
株式市場にどのような影響を与えるのでしょうか。
2003年内に行われると考えられていたQDII
(中国国内機関投資家による海外への投資解禁、
主に香港市場への投資)の実施が
2004年春先以降へずれて実施されそうです。
香港市場に上場するH株企業は
本土A株市場にも同時上場している銘柄が多く、
同じ企業の銘柄の株でも
本土株の株価に比べると
香港市場での株価のほうが数倍安かったのです。

なぜ安かったかというと
香港市場で売買される株は海外投資家が購入できる市場で
今まで中国株には人気がありませんでした。
それはなぜかというと、
今まで中国の企業は多くの人員を抱え、
非効率な運営を続けてきたためで、
海外の投資家には魅力ある企業には見えませんでした。
ですが中国企業は数年前より、リストラ、企業改革を進め
利益率も上がってきており、
少しずつではありますが
魅力ある企業に変身はしてきていました。
しかしこの時点ではまだ、
海外の投資家は購入することはしてきていませんでした。
ここまでが2003年初頭までに起こった出来事です。
ですが、QDIIが行われるということは
中国国内のお金が香港市場に入ってくる、と
同じことですから
いずれ香港市場の株価は
本土株の株価に鞘寄せされることが考えられます。
このためにこの期待のほうが大きく株価に影響してきました。

<次回に続く>



当ページは、投資勧誘を目的として作成されたものではありません。
あくまで情報提供を目的としたものであり、一部主観及び意見が含まれている場合もあります。
個別銘柄にかかる最終的な投資判断は、ご自身の判断でなさるようお願いいたします。


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