第82回
中国国民の所得水準
中国では、2002年の都市部にある企業に勤める人の
平均年収は1万2422元(前年比14.3%増)です。
物価要因を差し引いた後の実質伸び率は15.5%となっており、
国有企業で働く人の年収は1万2869元です。
地方企業は7667元、
その他の企業は1万3212元となっています。
これを2002年の沿岸部、都市別で見てみますと、
1位が上海の平均年収の4万9180元、
2位、深センの4万7943元(前回調査比1千元減)よりも
1237元多くなっています。
3位、北京の4万6611元、
4位の広州は4万1377元、
となっています。
日本の、平成14年度分の納税者1人当たりの平均所得金額は
447万円です。
中国国民の平均所得が約1万元だと計算し、
元の価値が日本円で1元が
14円で単純計算しますと約14万円です。
これは、中国国民の年間平均所得と、日本人の年間平均所得の差は
約31.9倍あります。
沿岸部の国民所得が約65万円としても、その差は縮まりますが、
それでもその差は約6.9倍近くあります。
つまり、日本人が中国株を購入する時には中国国民にとっては
考えられないくらいの高額な金額です。
これが2000年の中国国民の年間平均所得が日本円で
10万円程度だったのですから、
この3年間での国民所得の伸び率は
40%にものぼったことになります。
このことは3年前なら日本国民が中国株を購入する所得に比べたら
約45年分にも上っていました。
ですが、今は約31.9年分に縮まっています。
このことは、私たち日本人が100万円投資した時には、
中国国民の人たちから見れば
年収の約7.14年分にもあたるのです。
このことができるのは
日本人の所得の高さのなせる業(わざ)、です。
ですから、逆に言えばこの所得差を利用して今の日本の投資家は
より多くの中国株を購入できる立場、にあります。
実はここに大きな投資妙味があります。
将来的には中国の所得も向上して平均所得が100万円、200万円、と
上がっていくでしょう。
ですが、そこに至るまでには、まだ10年、20年、
という長い時間がかかります。
日本の平均所得を考えても分かることですが、
昭和40年代の初めの頃の
日本人の大学卒の月給が1万円をちょっと越えたくらいでした。
日本の株式市場の日経平均株価指数も500円以下だったものが、
今では1万円を超えています。
その頃の日本の企業の株価は
100円以下の銘柄が多く存在していました。
その後、日本の高度成長時代を向かえた日本は
企業の発展とともに所得も向上してきました。
今は100円台の企業の銘柄もありますが、
1991年代のバブル絶頂期には
1000円以下の銘柄が少なくなってきていました。
このような株価の流れが今後
中国の株価にも連動して上がっていくことが考えられます。
|