第23回
もう一つの投機銘柄
ふつう投機というと今後値上りする企業に投資し、
リスクが大きくともなるべく短期に
利益をあげる方法のことをいいます。
それともう一つ、中国株式市場の場合は
投資方法のほかに企業のとしての他の要因の投機性があることを
考えておく必要があります。
今中国株式市場に上場している企業は
大きく分けて親会社が国営の企業と
一般の民間企業の上場会社の2種類があり、
圧倒的に親会社が国営の企業が多く上場しています。
当然後ろ楯の(バックが)ある上場企業は
一部の赤字部門を親会社に引き取ってもらい、
他の優良部門を親会社から資産注入を受ける
(このことをアセットインジェクションともいいます。)ことが
できますから、有利な立場にあることは確かです。
経営者として優良な人材を入れ替えることもできます。
これとは逆に一般の民間企業の場合は
赤字部門が出たらそれなりの対処を自社内で行います。
それと創業者のトップが経営権を握っているため
経営の方向が間違った時などそのまま突き進むことにもなります。
一番怖いのがトップが死去した時など、国営企業のように
すぐに次の経営者を派遣するというようなことができず、
経営が弱体化していく可能性があることです。
つまり国営を親会社にしている上場企業より、
一般の民間上場企業のほうが安全性が少なくなり
投機性が大きいということがいえます。
では民間企業の投資はリスクが高くてダメか、というと
そうはいえません。
確かに今のままだったら厳しいでしょうが、
将来的には親会社が国営企業の上場会社であっても
国は持ち株比率を下げていき、最終的には大元の基幹産業を除き
市場に持ち株を放出し、開放してくるでしょう。
つまり一般企業と同等の立場になっていきます。
ですから現在国営企業のほうが株価が高い企業が多いですから
将来性のある民間企業なら購入していってもよいと思います。
例えば香港のGEMに上場している民間企業で
ワーサンガス(上場コード:8035)などは
中国が今後発展していく限りガスは伸びていきます。
同社は現在株価に比べ、一株純利益率(PER)が
10倍以下です。
底値とは思いませんが長期投資なら魅力のある企業です。
今は民間企業のほうが市場を見ると投機性が大きく見えます。
ですがこちらの投機性は将来薄まっていく投機性です。
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