虎ノ門漢方堂店主・城戸克治さんの
やさしい漢方の話

第286回
「計画的犯行の疑い」

「賢者は歴史に学び、愚者は体験に学ぶ」、
ドイツの鉄血宰相 ビスマルクの有名な言葉です。
わたしが薬剤師になってから
もうかれこれ25年ほど経ちますが、
この言葉の持つ意味が
50才に近づく年齢になると、
別に賢者にならなくても
自分の仕事や趣味の領域では
いろいろな形で理解できるようになってきます。

現在、大変なブームになっている
「CoQ10」ですが、
これに非常によく似たブームを
25年ほど前に
二つの商品で経験したことがあります。

まず一つめは、先日取り上げました
ビタミンEで、CoQ10と同様に
不老長寿や
若返りの特効薬というふれ込みで
非常に大きなブームを引き起こし、
現在に至っています。

当時、ビタミンEは医薬品の形でしか
販売されておらず、
ビタミンEさえ飲めば
不老長寿や若返りの望みを
かなえられると考えた多くの人たちが
薬局・薬店へと殺到したため、
一部の製薬会社や
薬屋さんは相当に儲けたようです。

なぜ、一部の製薬会社や
薬屋さんだけが儲けたのかと言いますと、
ビタミンEを販売している製薬会社が
ほんの数社しかなかったことと、
それらの製薬会社が
値崩れをおこさないように
系列化のごく一部の薬局・薬店にしか
商品を卸さなかったからです。

そのため当然、ビタミンEは絶えず
需要が供給を上回るような形になり、
長い間、品切れの状態を
計画的に引き起こしていました。


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