第265回
「おもいつきテレビ」
前回、お話ししましたように、
その時代の食糧事情
あるいは食習慣の変化などによって、
どういう病気に罹りやすくなるかは
いろいろと大きく異なってきます。
例えば、昔は玉子や肉などの
動物性の食品は大へん高価なもので、
いくら身体によいといわれていても
重い病気にならなければ
滅多に食べさせてもらえないものでした。
しかし、今では価格も大幅に下がり
いつでも自由に食べられるようになったのに、
動脈硬化やアレルギーに悪いなどといわれて
昔とはまったく逆の意味で
消費にブレーキがかかってきています。
つまり、以前は身体に良い食品であっても、
時代背景が変わると
身体に悪い食品にされてしまう恐れがあるということです。
ですから現在、身体に悪いとされている食品が
時代背景が変わって、良い食品の
仲間に入れられる可能性は多大にあります。
また昔から、
バランスの良い食事が大切である
というふうに言われてきましたが、
あまりに当たり前のことなので
誰も興味を示さなくなってしまいました。
そして、ついに「あるある大辞典」や
「おもいっきりテレビ」などの
1つの食品で健康になることを謳った番組が
社会現象を引き起こすまで
大きな影響力を持つようになってしまっています。
しかし、西洋医学の立場からみても、
中医学的な見地からしても、
これらの番組の情報は
必ずしも正しいものばかりとはいえません。
私には時々、「おもいっきりテレビ」が
「おもいつきテレビ」のように見えるのですが、
皆さんはどうでしょうか?
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