第219回
「喘息・アトピーの娘さんをもつ、Nさんからの手紙」
喘息・アトピーの3歳の娘さんをもつNさんから、
相談のお手紙を頂きました。
『1月ほど前から喘息の治療を漢方に切り替えました。
処方されているのが
「小青竜湯」(煎じて飲んでいます)なので、
たびたびのマオウに関しての注意・呼びかけに、
漢方を選択した保護者の責任を感じながら、
ビクついている次第であります。
実際、娘の状態としては良い感じです。
漢方に切り替えた時はタンがよく切れるようになり
(といっても、ほとんど吐いている状態でしたが)、
それが、2週間ほど続きましたでしょうか
・・・この頃はかなりきつそうでした。
その後は夜中に1回ほど咳き込む程度で、
それがまた2週間ほどでしたでしょうか・・・
今では、多少の咳を
1日のなかで1〜2回ほど軽くする時が、
調子悪いかな?と思う程度で、
良い時は元気いっぱい暴れまわっても
ゼイメイが聞こえることもありません。
現在、症状を電話で伝えて
漢方を送ってもらっています。
夏に再受診する予定なのですが、
3歳の子に
あと1〜2ヶ月飲ませるのは危険でしょうか?』
小青竜湯は、アレルギー性鼻炎や喘息に
日本で比較的よく使われている漢方薬です。
喘息の発作が起きているときなど、
短期間に使う場合には
問題はそれほどないとは思いますが、
マオウが割り合い多く含まれていますから
長期間服用されるのはあまりお奨め出来ません。
中医学には標治薬と本治薬という
漢方薬に対する2つの考え方があり、
標治薬は対症療法的に、
本治薬は体質改善というふうに使い分けをします。
小青竜湯は、どちらかというと
標治薬の部類に属する漢方薬です。
喘息やアトピーは、のどや皮膚の粘膜などが
過敏になって引き起こされる症状ですから、
粘膜を丈夫にする働きを持つ
「玉屏風散(ぎょくへいふうさん)」
というマオウが含まない
漢方薬のほうが味もよいし、
本治薬としても娘さんに
よろしいんじゃないかと思います。
※マオウは一種の興奮剤ですから、
血圧を上げたり心肺機能を亢進します。
つまり、マオウを含有する漢方薬を服用しているときは、
運動や入浴、アルコールの摂取などを控える必要があります。
一般の薬と同様に、漢方薬も
使い方を誤れば危険な副作用はやはり出ます。
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