第156回
人の寿命、本当は何歳?
人間の身体は、年中無休で
24時間休むことなく働き続けています。
現代の医学とは
かなり異なった概念ですが、
中医学では、気・血・水というものが
この生命の流れの根本であると考えています。
気とは、自然界を構成する
最も基本的な物質で、
その運動や変化によって
自然界のすべての物は作られます。
中医学によれば、
人体も自然界に存在する他の物質と同じく
気をもとに構成された物質であり、
気は人体を形作るだけでなく
その生命活動の源にもなっています。
大別すると、気には
「先天性の気」と「後天性の気」があり、
前者は生まれたときから
すでに身体に備わっている
両親から与えられた生命力というべきもので、
五臓の腎に貯蔵され
生命活動の原点になっています。
※「霊枢」という中医学の古典によれば、
人の寿命は100歳とされています。
つまり、先天の気は
上手く使えば100年近く持つということです。
後者は、生まれてから必要になる、
生命活動のいわば燃料のようなもので、
体外から獲得し
絶えず補給し続ければならない性質のものです。
また、後天の気は、
「水穀の精気」と呼ばれ
脾胃の働きによって飲食物から作られるものと、
呼吸によって空気中から作られる
「清気」とがあります。
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