第153回
コレステロールの落とし穴?
健康医学の世界では、
「痩せているほうが人間は長生きする」
という説が以前は主流でしたが、
最近では
「年を取ってきたら、
身体にも少し余裕があるという意味で
適度に脂肪のついた少し太めのほうが
健康にいいんじゃないか」
という話も囁かれるようになってきています。
その理由として、
「太り気味の人は重い病気になったり
大きな手術をして痩せても、
痩せ過ぎになることはない」
といった乱暴な話から、
「身体に適度な脂質がないと、
細胞膜が弱ってガン細胞に変化しやすくなったり
血管の弾力性が失われたりする」
という真面目な学説までいろいろあります。
特に、脂質の一種である
コレステロールは
成人病の原因物質などと言われ
まるで悪者のような扱いをされていますが、
あまり減らしすぎると
細胞膜だけでなく
女性ホルモン・男性ホルモンや
副腎皮質ホルモンなどの合成にも
支障をきたしてしまい、
とても危険な状態に陥ってしまいます。
毎日のように、テレビや週刊誌では
「コレステロール値が高いと成人病になりやすい」
という話ばかりが取り上げられていますが、
実は低すぎるほうが
脳出血やガンなどの病気に罹りやすくなり
もっと身体に悪い影響がたくさん出てくるのです。
しかし、日本ではどういうわけか、
その辺の情報が
どちらかに偏った方向でしか伝えられていない場合が
非常に多くなってきています。
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