第144回
のど越し壮快、胃腸に不愉快?
胃腸の働きがどうなっているかは、
中医学では舌を見れば
ある程度は推測することができます。
例えば、舌に苔が
びっしりと生えている人は、
胃腸の中の水分が過剰気味で
脾が弱ってきている状態を示しています。
また、舌の縁の部分に
歯形がギザギザとついている場合も、
身体の中の余分な水分を
胃腸がスムーズに代謝できなくなって、
舌が水ぶくれを起こしているという
脾の働きが弱った状態を表しています。
こんな場合には、
ビールやジュースなどの
胃腸を冷やす飲みものや
果物やアイスクリームなどの食べ物は、
出来るだけ避けたほうがよいでしょう。
何故なら、脾が
食べ物から消化吸収した成分を
身体中に運ぶのに、
陽の気が必要だからです。
例えば、冷たいものを取り過ぎると、
お腹をこわしたり食欲が落ちると
よくいわれていますが、それは
冷たいものの過剰摂取で
脾の陽気が減少して、
食べ物を消化吸収して分配する
脾の働きが弱められてしまうためです。
また、味の濃いものや
脂っこいものの食べ過ぎも、
湿から痰を作ってしまい
脾の状態を悪化させますから要注意です。
※コーラやビールなどの
冷たい飲みものは
のど越しが壮快で気持ちがいいものですが、
気持ちよく感じるのは「のどの部分」だけで
胃腸によい影響を与えることは余りありません。
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