第135回
痴呆症の特効薬が無い理由?
老人性の痴呆症は、
脳血管性とアルツハイマー型の二つに
大きく大別されます。
前者は脳梗塞などで
脳内の血流が悪化して、
その周りの脳細胞が
死んでしまうことが原因とされ、
後者は脳の萎縮や
脳内のβアミロイドという
タンパク質の分解酵素の活性低下が
主な原因と考えられています。
しかし、最近では、
アルツハイマーの場合にも
脳の血流の低下が関係しているのではないか
というようなこともいわれ始めています。
また、現在、
痴呆症に効く特効薬は
ないということですが、
その理由は脳細胞に再生能力が無いためです。
ですから、もし何らかの原因で
脳細胞が壊れてしまった場合には、
残った脳細胞はその分まで働かなくてはならず、
負担も意外と大きいものになってきます。
西洋医学では、それを助けるために、
◎脳細胞の働きをよくする
◎脳内の血液の流れをよくする
◎脳の神経細胞間の情報伝達物質の作用を助ける
・・・などの作用を持つ薬を使いますが、
効果が見られるのは軽度から中程度の人で、
症状の進んでしまっている方々には
今のところ効果はそれほど期待出来ません。
ですから、初期の症状を見逃さないで、
出来るだけ早く治療を受けることが重要なのです。
(注意)甲状腺の病気や腎不全などで
痴呆によく似た症状が出現したり、
うつ病・パーキンソン病・ガンなどの薬や
解熱鎮痛剤の副作用から
急に痴呆の症状が現れたりする場合もあります。
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