虎ノ門漢方堂店主・城戸克治さんの
やさしい漢方の話

第131回
抗生物質の危険な落とし穴!

カゼを風邪薬で
治すことは出来ませんが、
抗生物質で治すことも出来ません。
というのは、カゼは細菌ではなく
ウィルスが原因の病気だからです。

また、一般に
抗生物質はどんな「バイ菌」に対しても
効果があるように思われているようですが、
それは大きな誤解で
ウィルスにはほとんど効果がありません。

なぜ、抗生物質が
ウィルスに効かないのかといいますと、
簡単にいえば、細菌に比べて
ウィルスは非常に小さいものであるため、
人間の細胞の中で繁殖することができるからです。
そのため、ウィルスを攻撃しようとすると
人間の細胞までダメになってしまいますから、
ウィルスに効く薬を
なかなかうまく作ることが出来ないのです。

それでも、抗生物質を使う理由は、
カゼが原因になって
肺炎のような重い細菌性の疾患を
併発する場合があるからです。
しかし、抗生物質を
予防に使ってばかりしていると、
耐性が出来て効果がなくなったり、
副作用で肝臓や腎臓がダメになってしまったりします。

最終的に、カゼを治すのは
風邪薬や抗生物質ではなくて、
私たち自身の身体が、免疫、
すなわち抗体を作ってカゼを退治するわけです。
あくまで、薬は補助的なものにしかすぎません。
ですから、身体を安静にして休めることは
本当に大切なことなのです。


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