虎ノ門漢方堂店主・城戸克治さんの
やさしい漢方の話

第87回
サメ軟骨の危険な落とし穴とは?

サメの軟骨がガンに効く・
ひざの痛みによいとかいった話は、
新聞や雑誌の広告に毎日のように溢れています。

そして、その広告のどれもに、
サメの体の骨の70%は
血管のない軟骨で形成されており、
その軟骨に血管の生成を抑える成分が
含まれているということが書かれています。
さらに、その血管の生成を抑える成分として
特殊なタンパク質とコンドロイチンが確認されており、
これらの成分によってガンの血管の生成を抑えて
ガンの増殖や転移を防ぐということも書かれています。

ということは、それがもし本当なら、
血管新生の盛んな固形ガンに対して有効であり、
ガン以外にもリウマチなどの
新生血管の形成が関連する病気に対して
効果が期待できるということになります。

しかし、このことは、
ガン以外の部分の血管の新生も
抑えてしまうということになりますから、
新陳代謝の激しい身体の部分や
他の臓器の増殖も出来なくなるはずです。

具体的にいえば、
妊娠中や授乳しているとき・
手術の前後には要注意ですし、
さらに脳梗塞や心筋梗塞・狭心症などの
閉塞性の疾患や肝硬変を持つ方には
生命に関わることも出てくると考えられます。
また、新陳代謝の活発な子供たちにも
与えないほうがよいということにもなります。

そして、このことは
ニュージーランドの国立オタゴ大学医学部と
政府直属の研究機関の資料にもある程度
書かれていることでもあります。


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