服飾評論家・出石尚三さんが
男の美学をダンディーに語ります

第926回
折畳傘かパーカーか

マウンテン・パーカーを着たことがありますか。
俗に「マウンパ」と略して呼ぶこともあるようです。
本来は、文字通り登山用のパーカーなのです。

マウンテン・パーカー自体は比較的薄手で、
それほど複雑な構造ではありません。
でも、シャツやスェーター、ヴェストなどを
組合わせることによって、
暑さや寒さ、雨や風にも
対応できるようめざしています。
つまり全天候型アウター・ウェアとも
言えるでしょう。

ところでこのマウンテン・パーカーを
ビジネス・スーツの上に羽織ってみる方法も
あるのではないでしょうか。
たとえばハーフ・コート代りとして、
たとえばレイン・コート代りとして。
にわか雨の用意に折畳傘も良いのですが、
私はマウンテン・パーカーを
鞄にしのばせておくほうが
おしゃれだと思います。

ことに最近のマウンテン・パーカーは
より薄く、より軽量で、畳んでもかさばりません。
またシワにもなりにくい。
また仮にシワになったところで、
ほとんど気にはならないでしょう。

各社各様、
さまざまなマウンテン・パーカーがありますが、
その代表例として「エディー・バウアー」があります。
たとえば「ウェザーエッジフリースラインパーカー」は
ブラックとキャメルの2色があって、18,900円です。
もしビジネス・ウェアにも使おうというのなら、
黒が良いかも知れません。

このパーカーには
最新のナイロン素材が使われていて、
ほぼ完全に雨をはじいてくれます。
フードも付いていますから、帽子も不用。
それでいながらムレることがありません。
表地にシンサレートという
透過性素材を張ってあるからです。
私のような昔人間からは、
パーカーもここまで進化したか、
という気持にさせられてしまうほどです。

もちろんごく寒い時用の、
保湿性ライナーも別売で用意されていて、
装着できるようになっています。
むろんビジネスだけでなく、
トラベル・ウェアとしても
威力を発揮してくれるでしょう。


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