服飾評論家・出石尚三さんが
男の美学をダンディーに語ります

第857回
夜中の風鈴

夜中にのどの渇きでめざめることがありますか。
いつもというわけではありませんが、
私にはあります。
少々聞こし召した夜などは、たいていそうです。
「聞こし召す」は早い話、
飲み過ぎのことなのですが、
おそらくアルコールが水を呼ぶのだと思います。

起きて台所に行き、水を飲む。
これは不粋であるだけでなく、
私にとってはキケンでもあります。
水にたどり着く前に冷蔵庫が目に入ったりする。
と、ああそうだ、美味い酒が冷えていたはずだ、
なんてことになると、
ひとりで夜中の酒宴がはじまったりする。
アブナイ、アブナイ。

理想をいえばベッド脇に
サイド・テーブルか何かがあって、
すぐに飲めるように冷たい、
美味しい水が用意されている。
そんなふうでありたい。
それというのも、
手を伸ばせばすぐに冷水があることが、
大いなる安心感であって、
そのために結局は朝まで
ぐっすり眠ってしまったりもするのです。

そんなことを考えていたら、
なんとも様子の良い水差しを見つけてしまいました。
もっとも「ナイト・カラフェ」という
しゃれた名前がついていますが。
透明のガラス壜なのですが、
水差し本体とコップとが一体化している。
まるでオブジェのような美しさ。
まさかコップとは思えない蓋を取って、
そこに水を注ぐことが出来るのです。
値段は3675円で、
「茶の愉」(TEL:5447-5535)で売っています
この店は本来は読んで字のごとく、茶葉を商う店。
そのための小道具のひとつとして
並べてあるのでしょう。
ということは、
冷茶をこのナイト・カラフェに
入れておくわけでしょうか。
いや、客人があった折にも、
自由に飲めるようこれで出すのも、
ひとつの方法かも知れません。

夜寝る前に、
このカラフェに氷をたくさん入れて置いておく。
夜中にちょうど良い飲み頃になるように。
ミントの茶を1枚いれておくも良し。
夜中、夢うつつのなかで、
氷がとけてグラスに当たり、
涼やかな音を奏でてもまた良し。


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