| 第763回もっとも大切なおしゃれの出発点
 パンツの裾口をダブルにするかシングルにするかで、
 迷ったことがありますか。
 要するに裾口を折返すか、
 それとも折返さないか、ということですね。
 ごく一般的に考えて、折返しのある裾口は
 伝統的な着こなしです。
 ごくドレッシーな着こなしか、
 またはごくスポーティーな着こなしの場合に、
 折返しを省略する。
 もちろんこれに加えて、
 若干の好みということもあるでしょう。
 しかし単に「好みの問題」と言ってはいられないのが、パンツ丈です。
 あなたのズボンの長さはそれで大丈夫ですか。
 最近、ヤンセンファーマ株式会社と、
 福助株式会社とが共同で、
 女性の意識調査を行った。
 首都圏在住の、20代30代の働く女性
 519人へのアンケート結果。
 そのなかのひとつに「男性のパンツ丈が気になりますか?」
 というのがあります。
 そして実に69.4%の人が
 「とても気になる」と答えている。
 「少し気になる」と答えた27.3%を加えると、
 ほとんどの女性が、
 男性のパンツ丈に関して「気になっている」。
 ただし、長すぎるからなのか、
 短すぎるからなのかは、分りません。
 けれども私の想像では、やはりパンツ丈が短すぎる、
 と感じているように思われるのです。
 諸君、現代女性にもっと安らぎを与えるためにも、
 もっとパンツ丈を長くしようではありませんか。
 ズボンの裾が靴の甲に届く。そして靴の甲の上で、
 袖口が少し崩れてシワになる。
 けれども後から見た場合には、
 靴のカカトよりも下にはなっていない。―
 このような状態が理想のパンツ丈なのです。
 もちろんこれはスーツを中心としたレングスで、
 コットン・パンツなどの場合には、
 もう少し短くても良いでしょう。
 腰にしっかりフィットするように穿いて、なおかつジャケット・サイズのパンツ丈を保つ。
 どうも男のおしゃれの出発点は
 このあたりにありそうです。
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