| 第755回しあわせの「あいうえお」
 一日に何回お茶を飲みますか。3回、5回、7回・・・。
 もちろん珈琲や紅茶、中国茶ということもあるでしょう。
 考えてみたら一日は誰にとっても24時間あるわけで、
 どんなとっぴなことでも
 一日一回位はやろうと思えばできるでしょう。
 よく「一日一膳」というではありませんか。
 これから私がやってみたいと思う、
 「一日一回」だけの善いことです。
 「一日一諳(あん)」。諳(あん)という字は少し難しいかも知れませんが、
 これは諳(そら)んじるという意味です。
 <<しらしらとあけゆく空の、薄紫なる、紅なる・・・>>
 たとえばこれは泉鏡花の『勝手口』の一節ですが、
 諳んじてみる。
 諳んじるとはいっても覚えてはいないので、
 実際には読む。
 まあ、そのうち少し位覚えるでしょう。
 当然、誰もいない所で、大きな声を出して読む。
 「一日一諳(あん)」です。
 「一日一印(いん)」。印(いん)というのもちょっと難しい。
 印を結ぶというときの印(いん)ですから。
 まあ、忍者のまじないと思えばよろしい。
 静かな所にゆっくり正座を、
 掌と指を組合わせて、目を閉じて3分間。
 大事の前の精神統一ですね。
 「一日一印(いん)」。
 「一日一運(うん)」。もちろん時間を見つけて、運動する。
 靴を脱いで、壁を相手に逆立ちをする。
 これだって立派な運動です。
 しかも時間もかからない。
 「一日一縁(えん)」。一日一回、こちらから友達に連絡をとる。
 Eメール、FAX、電話、ハガキ、手紙。
 私は電話が一番だと思います。
 聴きなれた、心地良い音を耳に吸収するのが良いのです。
 「一日一音(おん)」。当然、これは自分の一番好きな音楽を聴くこと。
 一日一回、30分で良いのです。
 私の場合ならサティでしょうか。
 マーラーでもブルックナーでもご自由に。
 「一日一音(おん)」。
 これを最初から並べてみると、「あいうえお」になっているわけです。
 さらには自分に出来そうな
 「かきくけこ」を作って実行してみ下さい。
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