服飾評論家・出石尚三さんが
男の美学をダンディーに語ります

第745回
シャツの袖に愛をこめよう

シャツの袖口が少しだけ長い、
と感じるようなことがありますか。
私も時々そんな場合があります。
たとえば、あと2センチ位短ければなあ、と思う時。
ネクタイを締めるようなドレス・シャツであれば、
ネック・サイズとゆき丈をしっかり調べてから買う。
けれどもスポーツ・シャツや、
逆に装飾的なシャツの場合、
そもそも選択肢が少ないので、
ついデザインに惹かれて買ってしまう。
もちろんどうしても、ということなら
リフォーム屋さんで調整してもらう方法もあるのですが。

時と場合によるのですが、
私はごく単純にカフスを半分ほど折返して、
自分流のダブル・カフスのようにして着ることがあります。
ことにカフスの幅が広いデザインなら、
かなり落着きの良いバランスが生まれるものです。
あらかじめ折返したい位置を決め、
上から軽くアイロンをかけておくと良いでしょう。
袖口の長さはちょうど良い丈になり、
新しいデザインで着こなせるわけです。

この自分流ダブル・カフスに
あえて名前をつけるなら
「ターンバック・カフ」といったところでしょうか。
これは通常の貝ボタンで留める式のばかりでなく、
ウエスタン・シャツのように、
ドット・ボタンで留める袖口にも応用できます。
そして実際に着こなす時の気持ちとしては、
<私はこのターンバック・カフが大好きなんだ>
と強く思うこと。
そうすれば必ずそのシャツが
素晴しく見えてくるはずです。

しかしここに
もうひとつの方法があります。
それは袖口のボタンを約5ミリほど、
内側に付け替える。
すると手首のところでカフスがぴったりとフィットして、
ちょうど良い長さになります。
あまった部分は手首の上でブラウジング
(装飾としてのふくらみ)させておけば良いのです。
これは腕時計の厚みもあったりしますから、
慎重に測った上でボタンを付けて下さい。
これはまあ「フィット・カフ」でしょうか。
そしていずれの場合にも、
着こなしには自信、
シャツには愛情を持つことがコツです。


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