服飾評論家・出石尚三さんが
男の美学をダンディーに語ります

第663回
シャンパンの小壜は人生のビタミン剤

シャンパンはお好きですか。
私だって時にはシャンパンを飲むこともあります。
正しくは“シャンパーニュ”でしょうが、
ここでは習慣に従って、
シャンパンとします。

ふたりで飲むのにちょうど良いのがシャンパン
という感じがあります。
私にはひとりで1本開けるには多すぎる。
ワインならまだしも、
シャンパンは「明日飲もう」
ということが難しいからです。
もっともシャンパン用の保存栓も
あるにはあるのですが。
そこで私の大好きなのが、
シャンパンの小壜。
これならどんな時でも、
ひとりで自由に開けて飲める。
なんとも単純な人間で、
ひとりでシャンパンを飲むだけで、
幸福な気持になれるのです。
冷蔵庫にシャンパンの小壜がたくさん入っているのは、
私のささやかな夢なのです。

実は小壜にも2種あって、
“ドゥミ”と“カール”。
もちろんドゥミ”は半分、カールは4分の1本分。
これは“ブテイユ”の750mlを基準にしていることは
ご存じの通りです。
壜の話になりましたので、
シャンパンの大きさを挙げるとしましょう。

・ブテイユ boutelle 1本分
・マグナム magnum 2本分
・ジェロボアム jeroboam 4本分
・レオボアム reoboam 6本分
・マテュザレム mathusalem 8本分
・サルマナザール salmanazar 12本分
・バルタザール balthazar 16本分
・ナビュコドノゾール nabuchodonosor 20本分

この最大のナビュコドノゾールは、
むかし昔、エルサレムを破壊したという
バビロンの王の名前に因んでいます。
「国を破壊するほどの強大な力」
という冗談が隠されているのでしょう。
バルタザールもまたバビロン最後の王の名前で、
一方で「大饗宴」の意味があります。
これこそ無用の雑学でしょう。

それでも私は、
シャンパンの小壜がいつもあることこそ、
なによりのおしゃれだと思います。


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