第627回
ニット・タイを友達にしよう

ニット・タイはお好きですか。
シルク地のネクタイに対して、
糸で編んだネクタイのことです。
ニット・タイはふつう
シルク・ニット・タイを想像しますが、
コットンやリネン
あるいはウールを素材にしたネクタイもあります。
さらにはポリエステルをはじめとする
合繊のニット・タイもあります。
でも、私はあまりおすすめしません。
結び目がゆるみやすいからです。

シルクのニット・タイは
一年中通して、
いつでも気軽るに結べるものです。
またサマー・スーツに合わせて、
コットンやリネンのニット・タイを結ぶのも良いものです。
外した後もシワにならず、
取り扱いが簡単であるのも
長所のひとつでしょう。

黒無地やブルーなどの
ダーク・トーンだけでなく、
淡いグリーンをはじめとする
パステル・トーンのそれも
サマー・スーツにふわさしいものです。

ところでニット・タイといえば
なぜかネクタイ・ピンを連想する人がいるようです。
今、我われが「ネクタイ・ピン」と呼んでいるものは、
実際には“タイ・クリップ”
または“タイ・バァ”と呼ぶべきでしょう。
それはともかく、今日では一般に
ネクタイ留めは使わないほうがスマートである、
と考えられています。

もしどうしても
ネクタイを安定させておきたいなら、
結び方でも工夫はできるのです。
ネクタイをプレーン・ノットで結ぶ。
この時、意識的に下側の小剣部分を長くなるようにする。
この小剣を大剣裏の織りネーム部分に通して、
パンツの中に入れてしまう。
こうしておくとネクタイそのものはシンプルなままで、
しかも必要以上に動いてしまうことがないわけです。
もちろんこれはニット・タイに限らず、
他のネクタイについても言えることですが。

いずれにしても
ネクタイの種類を大きく考えて、
もっと自由に楽しむことが、
おしゃれ全体を向上させてくれることだと思います。