服飾評論家・出石尚三さんが
男の美学をダンディーに語ります

第610回
小さなことから大きなことへ

今回は、日ごろご愛読下さっている読者の
タケマツ 様から
「第606回 ルーズリーフ・ノートと遊びましょう」について
メールをいただきましたので、
そのご回答を掲載させていただきます。


■ タケマツ 様にいただいたメール

いつも楽しく拝見しています。
私と趣味の合う話題が多くて、
HPはとても重宝しています。

さて、今日の話題のルーズリーフですが、
わたしも大学受験をしていたころからの
ルーズリーフ党です。

社会人になってから、システム手帳、
パソコンのスケジュール管理ソフトなども利用していますが、
何かアイディアを練ったりするときは、
ルーズリーフにどんどん情報を書き込んだり、
資料を貼り付けたりしています。
今、使っているのは、
日本製の穴のたくさん空いているものです。

さて、3穴のルーズリーフですが、
私も色々なところを探したことがありますが、
自分の気に入った物がなかったので、
その時は、ホチキスのような機械で
穴を一つだけ開ける道具があったので、
暇なときに10枚ぐらいずつ穴あけ作業をして
自家製ルーズリーフを作っていました。

その後、会社に製本用穴あけ機械
(正式名称は知りません)が入ったので、
それを使ったり、出入りの印刷屋さんから
500枚単位で用紙を買って、
おまけでそれに穴をあけてもらっていました。
たくさん用紙を使うのならこれが一番だと思います。
だだ、いずれの場合も一枚あたりのコストは
かなりかかってしまいます。

あまり役に立たない情報ですいませんでした。


■出石さんからのA(答え)

ご丁寧にもお便りを下さり、
ありがとうございます。
また、日頃からお目通し下さっているご様子、
重ねて御礼を申上げます。

やはり自家製ルーズリーフを
作っていらしたとのこと、
少し勇気づけられた感じがします。
また500枚単位で買うと、
印刷屋のサービスとして
穴を開けてくれるとの話は初耳です。
ありがとうございます。
それにしてもルーズリーフを注文で作らせるなんて、
ちょっと痛快な話ではありませんか。

私もこれまでに原稿用紙や葉書などを、
注文で作ってもらったことがあります。
おっしゃる通り、何枚かまとめると、
意外にもオーダメイドも可能のようですね。
なるほど、今度はルーズリーフの注文かあ、
と今、腕組みをしているところです。

それというのも私にとってのルーズリーフは、
この上なく身近な、
なくてはならない存在になっているからなのです。
少し大げさに言うなら、
死活問題でもあるのです。
ひとつの例をあげてお話しましょう。
私ごとではありますが、
『遊歩人』という雑誌で毎号、
「せびろ物語」というのを連載しています。
これはもちろん数多くの、
古い資料を探すことからはじまります。
たとえば図書館や資料館にも行きます。

そして様ざまな資料のなかに
「せびろ」もしくは「西洋服」についての記述があったなら、
1項目1ページを原則として
ルーズリーフ・ノートに記入する。
この場合、どんなに小さなことでも良いのです。
年代が分れば年代を記入する。
分らない場合には、およその年代の見当をつける。
もちろん何年、何月、何日と
はっきりと分っているにこしたことはありませんが。

何年かわけてこのような小さなメモを積み重ねる。
で、1枚1枚、ほぼ年代順に揃えてゆくのです。
厚いルーズリーフ・ノート3冊分くらいになれば、
ほぼ1冊の本を書くこともできるでしょう。
月並みですが、小さなことでもひとつに集れば、
本当に大きな力になるものなのですね。


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