服飾評論家・出石尚三さんが
男の美学をダンディーに語ります

第591回
素足にコロンを履く方法

素足で靴を履いたことがありますか。
もちろん素足がふさわしい靴もあります。
一方で、必ず靴下を履いてから
使うべき靴もあります。
でも、そのような美学上の問題をまったく無視して、
わざと素足で靴を履いてみる。
実は私、この乱暴な実験をしたことがあります。
と、良い靴ほど素足で履けてしまうのです。
もちろん実際、そのままで
外を歩こうというわけではないのですが。
靴はなかなか面白い、
ということが言いたかったのです。

かつてゲンスブールは
いつも白いダンス・シューズを愛用した。
これはもう素足で履くほうが自然でしょう。
少し極端な例かも知れませんが、
男の靴にもあえて
素足で履いたほうが美しいものが、
少なくないのです。
言葉を換えるなら、
より寛いだ感じを上手に表現するには、
靴下を省略してみるべきです。
お気に入りのスリップオン・シューズを素足で履いてみる。
たったそれだけのことで、
気分がまったく違ってくる。
リラックスできるのです。

たいていの靴は素足で履けるでしょう。
そしてひとつだけおすすめしたいのは、
必ずインソール(中敷き)を入れること。
これなら時折、洗濯や交換ができて、
いつも爽やかに履けるからです。

そしてもうひとつの方法が、
コロンを使うこと。
香水でもオード・トワレでもなく、
オーデコロン。
軽く、清々しく、気楽に使えるコロン。
必ずしも高級品である必要はありません。
コットンにコロンをつけて、足を拭く、指を拭く。
ぜひ一度、試してみて下さい。
本当に気持の良いものです。
と同時に、素足だからこそ出来ることでしょう。

その昔、国文学者の折口信夫(おりくちしのぶ)は
清潔好きで消毒用セットを持ち歩いたそうです。
私はなにも清潔だけが目的ではないのですが、
コットンとコロンがうまく持ち歩けたらなあ、
と思うことがあります。
素足で靴を履いている時、
一日に2、3回、コロンを浸込ませたカット綿で
ゆっくり足先を拭いたら、
どんなに気持が良くなるだろうと、
考えているのです。


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