第572回
コットン・ジャケット着こなしのコツ

コットン・ジャケットを着たことがありますか。
コットン地で仕立てた替上着は、
初夏にふさわしい一着です。
たとえばシングル前の３つボタンで、
両脇にはパッチ・ポケットが付いていたりします。
もちろんカジュアルなものですから、
肩パットや芯地、裏地なども
必要最低限のものしか付いていません。
軽く、涼やかに羽織るには、
そのほうが都合が良いからです。

色や柄もさまざまですが、
私としてはできるだけ
シンプルなものをおすすめします。
たとえばオフ・ホワイト、たとえばベージュ、
たとえばライト・ブラウン・・・。
もちろん好みですが、
無地のほうが着こなしの幅も広くなります。
小旅行などにも一着あればこと足ります。
コットン・ジャケットを中心にして、
ワードローブで設計をしておけば、
少ない小道具で、数多くの着こなしが楽しめます。
シワや汚れを気にすることなく、
カジュアルな場面なら、
どんな時にでも応用が効くはずです。

また値段の点でも、
シルク地やリネン地などに較べて、
はるかに安いのもありがたいではありませんか。
仮に一着の、コットン・ジャケットがあるとしましょう。
たぶん生地とほぼ同色のボタンが付いているはず。
これを自分の好みに合わせて、
本物貝ボタンに付け替えてみましょう。
意外なほど立派（？）な表情になるはずです。
白蝶貝でも良いし、黒蝶貝でも良いし。
効果を考えるなら
けっして高い投資ではありません。

さて、すっかり立派になった
コットン・ジャケットの胸ポケットに、
白麻のハンカチーフをあしらってみましょう。
カジュアル・ウェアですから、
ごく無造作な飾り方で良いのです。
貝ボタンに加えて、白麻のハンカチ。
たったこれだけのことで、
ごくふつうのコットン・ジャケットの印象が一変するのです。
あとはもう黒無地のＴシャツを組合わせるだけでも、
実にサマになってくれるから、
不思議なものです。
コットン・ジャケットで充分練習したなら、
次にリネン・ジャケットに挑戦してみて下さい。