服飾評論家・出石尚三さんが
男の美学をダンディーに語ります

第524回
スペッカチーフって何?

メガネは必要ですか。
むろん遠視用メガネのことです。
私自身は“シニア・グラス”と呼んでいるのですが、
もちろん必要です。
細かい文字を読む時には、
なくてはなりません。
ところがなかなか見つからないんですね。
いつも掛けているわけでないので、
探すのにひと苦労することも。

そこでシニア・グラスをおしゃれで、
見つけやすい方法を考えてみようではありませんか。
要するにメガネ・ケースにひと工夫してみること。
たとえば赤い生地で、
ソフトなメガネ・ケースを作ってみる。
いや、赤でなくても、
自分の好きな色にしておけば、
愛着も湧くことでしょう。

メガネを出入れしやすい、
タテ長の袋であれば良いわけですから、
誰にだって作れます。
もっともハード・ケースに較べて
多少弱いのが、欠点かも知れません。

さて、どうせ自分でメガネ・ケースを作るのなら、
おしゃれな色柄のシルク地というのはどうでしょう。
シルクは薄くて、軽く、
いざとなればそれを使って
レンズの曇りを取ることもできます。
細長い、おしゃれなシルク地なら、
上着の胸ポケットに入れるにも最適です。

どうせ胸ポケットに入れるのなら、
ケースの上端に少し飾りを付けてみませんか。
山型の飾り、波型の飾り、
軽くふくらませておいて、
ケースの上に縫いつければ良いわけです。
さて、これを上着の胸ポケットに入れておくと、
まるでポケッチーフのようになります。
名づけて“スペッカチーフ”。
メガネを入れておけるポケッチーフだからです。

でも、この“スペッカチーフ”
spec kerchief
私の発明(?)ではありません。
1964年にアメリカの「ヒコック」という
アクセサリー・メーカーが売出した新製品だったのです。
これは名案と思っていたのですが、
いつの間にか見かけなくなってしまった。
そこで自分で作ってみようかと考えたわけです。
もし自分で作ったメガネケースなら、
たぶん探すのに苦労しないでしょうから。


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