第502回
願いは叶うから素晴らしい
矢野沙織(さおり)を知っていますか。
実は私も大きな声で「知っています」
と言える立場ではないのですが。
たまたまCDを1枚聴いただけなのです。
そこに添えられた解説文を一度読んだだけなのです。
矢野沙織はまだ若い、日本の、ジャズ演奏家。
楽器はアルト・サックス。
CDは今のところ1枚だけ。
「君微笑めば」「コンファメーション」などの懐かしいジャズ。
そして「ハイデン」のような
彼女自身の作曲による音楽も含まれています。
なんでもチャーリー・パーカーが好きなのだそうで、
選曲もなるほどと思わせる内容になっています。
1986年生まれと言いますから、今、17歳。
もしかしたら、
最年少のジャズ・ミュージシャンであるのかも知れません。
少なくともプロのアルト・サックス奏者としては、
最年少でしょう。
いや、私はなにも矢野沙織が若いのに素晴らしい、
と言いたいのではありません。
もちろんジャズはぜひ一度聴いてみるべきですが。
彼女はごく普通の少女で、
たまたま父の趣味である、ジャズ・レコードが
たくさん近くにあった。
で、小学校6年の時、
チャーリー・パーカーが好きになった。
その時、すでにアルト・サックス自体には親しんでいた。
それで、ますます・・・。
これまた、偶然、14才の時、
ビリー・ホリディーの本を読んだ。
そこには「・・・14才でデビュー・・・」とあった。
じゃあ、私も14才でデビューしなくちゃ、と思った。
まあ、ここまではよくある話。
ここからが彼女の素晴らしいところ。
ライヴをやっている店に電話をかける。
断わられる。
これは当然ですよね。
経験のない、14才のミュージシャンなのですから。
でも、「14才で・・・」と思っているから、
何十店と電話をかける。
そのうちの一軒が、「よろしい」と言う。
私は矢野沙織に「願えば叶う」ことを教えられました。
どうもその店が西新井の
「カフェクレール」という店らしいのです。
ぜひ今度、彼女の生演奏を聴きに行こうと思っています。
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