服飾評論家・出石尚三さんが
男の美学をダンディーに語ります

第494回
ダッタンかタタールか、それともタルタルか

一日に何倍のお茶を飲みますか。
5杯、10杯、20杯・・・。
まあ、だいたいそんなところでしょう。
私はたいていお茶を飲みながら本を読んだり、
時には原稿を書いたりしています。
そんなわけでお茶と名がつけば、何でも飲みます。

今、時折飲んでいるのですが、
ダッタンそば茶。
即席の小袋に入っているので、
湯をわかすだけで、手間が要らない。
簡単で、しかも飲みやすい。
かつ加えて、高くもない。
けれどもダンタンそばというのが、分らない。
「ニガそば」の別名というのだけれど、
本当にそばの一種なのでしょうか。
どうか、ご存じの方、お教え下さい。

分らないといえば、
達旦(だったん)というのも良く分らない。
辞書には「モンゴル系部族のひとつ」とあります。
むかし宋の時代、モンゴルを黒ダッタン、
トルコ系オングートを白ダッタンと呼んだ、
と説明されている。
ますますもって分らない。

でも、この分らないというのが楽しくて仕方がない。
なにしろ暇人なので、
近くにある辞書をあれこれ開きながら、
遊べるではありませんか。
古い辞書を調べると、
「タタールのことなり」とある。
ダッタンはタタールか。
タタールはフランス風に言えば、タルタル。
あのタルタル・ソースとか、
タルタル・ステーキという時のタルタル。
幼稚な私としては、
これだけですっかり納得してしまったのです。

まず最初に、サラダを食べる。
サラダにたっぷり特製のタルタル・ソースをかける。
次に私の大好物のタルタル・ステーキを食べる。
それで、食後にはうんと濃い、
まるで紅茶のよなダッタンそば茶を飲む。
―これは私なりのダッタン三題ばなし、
というわけです。

それはともかく、辞書を使って遊ぶのは、
本当に楽しいですよ。
これを裏返すと、ひとつやの辞書では詰まりません。
専門辞書、特殊辞書、あるいは古い辞書など並べて
知的(?)ゲームをやってみませんか。


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