第439回
アラン・スェーターの再勉強です
今回は、日ごろご愛読下さっている
読者の 野沢弥市朗 様から
メールをいただきましたので、
そのご回答を掲載させていただきます。
■野沢弥市朗 様にいただいたメール
出石尚三様
初めまして。
静岡市で紳士服店を営む、野沢と申します。
「男はカッコ」をはじめ、出石様の文章は、
折に触れ、読ませていただいておりますが、
出石様の知識、ご造詣の深さには、
日頃より感服しておる者です。
さて、このたびメールを差し上げましたのは、
アランセーターについてです。
実は、私、ひょんな縁で、
アイルランド・アラン諸島で編まれる
本物のアランセーターの魅力にとりつかれ、
その仕入れ販売に携わる一方で、
8年ほど前から、
その「伝説」の解明に興味を抱き、
昨年12月に繊研新聞社より
「アイルランド/アランセーターの伝説」を
刊行させていただきました。
12/9付の出石様の文章を拝読し、
一部不正確な部分も見られましたこともあり、
また以前よりメンズファッションについて
出石様より啓蒙されることの多いことに感謝し、
是非拙著をご一読いただきたく、
差し出がましいことですが、
一冊ご贈呈いたしたく存じます。
本の内容や、弊店につきましては、
http://www.savilerowclub.com/
を、ご覧いただけましたら幸いです。
なお、余談ですが、
以前に、茜屋珈琲店の995円コーヒーのお話が
載っていましたね。
その経緯については、
茜屋の創業者・船越敬四郎さんが
亡くなられたときに出版された
「偲ぶ 茜屋珈琲店主人」に詳しく書かれています。
私はこれを軽井沢・旧軽銀座の茜屋
(茜屋がその名を広めるきっかけになった店ですね)で
刊行当時にたまたま手に入れました。
もう10年以上も前に自費出版されたものなので、
一般に入手するのは難しいのでしょうが、
読むだけならば、木挽町や六本木などの茜屋さんに
置いてあることと思いますので、
是非当たってみてはいかがでしょう。
大変魅力的な親父さんであったようですし、
付加価値とは何か、が分かるような気がします。
それでは。
セヴィルロウ倶樂部
野沢弥市朗
■出石さんからのA(答え)
いつもご愛読下さりありがとうございます。
また心優しいご指摘を下さいましたことにつきましても、
重ねて御礼を申上げます。
ご質問によせ、ご指摘にせよ、
またお叱りの言葉にせよ、
お便りを頂くこと自体、
ありがたいことだと感謝致しております。
一番哀しいことは、一読しただけで
二度と立ち寄って頂けないことでしょう。
さて、私のお便りの書き方は、
「プレ日記」風というべきでしょうか。
朝のはじまりに空気を感じて、
「ああ、寒くなってきたなあ。
アラン・スェーターが恋しいなあ」。
そこで頭のなかに想起するものごとを
書き並べてゆくわけです。
ふつう日記は一日の終りに書きますが、
一日のはじまりに書いてしまうのですから、
たわむれに「プレ日記」と言ったまでのことです。
野沢弥市郎様に
『アイルランド/アランセーターの伝説』のご著書のあること、
私はまったく不勉強で知りませんでした。
どうかお赦し下さい。
ご著書を拝読さえしていれば、
もう少しましなものが書けたかも知れず、
このようにご指摘を頂くこともなかったかと、
深く反省致しております。
誰の言葉であったか、
素直に<勉強して出直して参ります>
と申しあげるべきでしょう。
もちろんここで私の乏しい情報源についても、
お知らせしておいたほうが良いでしょう。
野沢様はすでにご存じのことでしょうが、
『トラディショナル・アラン・ニッテング』を少し眺めました。
1982年、NYのセント・マティン・プレス刊。
著者はシェラー・ホリングワースです。
それはともかく、
もう少し具体的にお教えて頂き、
今後の私の勉学の大切な資料としたいと考えております。
もとよりご著書も熟読させて頂き、
学ばせて頂きたいものでございます。
この度はご指摘を下さり、
ありがとうございます。
これを良い機会として
今後ともご愛読頂ければ幸いです。
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