服飾評論家・出石尚三さんが
男の美学をダンディーに語ります

第383回
新しい食の楽しみ

エリア・カザンの仇名を知っていますか。
“ギャジー”。
親しい友人たちは彼のことを皆
“ギャジー”と呼んだそうです。
エリア・カザンは大のオモチャ好きであったから。
“ギャジェット”gadgetから来ているのですね。
これはうまく訳せないのですが、辞書には
「(あまり役に立たないが)ちょっとおもしろいもの」
とあります。

たとえばですね、ミニ・ランタン。
小さな筒状の、
ポケットにも入ってしまいそうなランタン。
燃料はライターに使う液化ガスで、
火をつけるとたしかに明るい。
それに可愛らしい風防も付いています。
たしか4千円くらいだった。―
どうしてそんなに詳しいのか。
実は、私も買ったから。
今はたぶん引出しのなかで
静かに眠っているはずです。

私も人のことは言えないので、
“ギャジー”なんです。
新しいオモチャ、新しいガラクタに目がない。
便利そうな、面白そうなオモチャを見ると、
いとおしくて放っておけないのです。
で、その結果、一喜一憂を繰返しています。

さて、今、私のお気に入りは「黒ごまきな粉」。
いえいえ、ギャジェットだなんて言わないで下さい。
新しい友達なんですから。
ふと土産物で買ったのです。
要するに黒ごまときな粉を粉末状にして
ミックスした食品なのです。
熱海の長登屋(TEL:0557-80-5131)で扱っていて、
400g入りで500円。
えー、効能書には牛乳に混ぜて飲む、
ごはんにかけて食べる、とあります。
なるほど、なるほど。

私はふと思いついて、
ホットケーキに混ぜてみた。
粉と粉ですから混ぜやすい。
5対5、6対4、7対3、8対2・・・
混ぜ方は好みでしょう。
焼き上がるにつれてごまの香ばしい匂いが漂ってきて、
食べる前からすでに美味い。
そしてまた、実にバターに合うんです。
今度は少しオムレツに入れてみようかと、
あれこれ考えているところ。
まあ、こうしてみると、
楽しみながら食べるのが一番いいようですね。


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2003年10月20日(月)

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