服飾評論家・出石尚三さんが
男の美学をダンディーに語ります

第297回
幸福の香りを運ぶ 謎のコーヒー

コーヒーはお好きですか。
私もコーヒーはよく飲むほうでしょう。
朝はたいてい紅茶ですが、
食後には必ずといって良いほどコーヒーを飲む。
ところが自分でも不思議なのですが、
旅先ではまず例外なく、朝からコーヒー。
紅茶はまず選ばない。
どうしてなんでしょうね。

さて、コーヒーはただ手近にあるものを黙って飲む。
コーヒーなら何でも良いのです。
静かに湯を沸かし、ドリップに粉を入れ、
ゆっくりと落とす。
コーヒーは豆で買うこともあれば、
粉を真空パックのまま買うこともあります。
時にはエスプレッソ用の細かい粉を
ドリップで落とすなんて妙なことをやったりもします。
わが家にはエスプレッソの道具がないので、いわば苦肉の策。
でも結構飲めますから、
勝手にこれでも良いと考えているのです。

コーヒーはうんと濃いのが好きです。
でも、ブラックで飲むわけではありません。
コーヒーに少量のミルクを加えて、飲む。
イタリアで言うところの
“カフェ・マキアート”風です。
まあ、少なくともコーヒー通ではありません。

ところが最近、頂きもののコーヒーを飲んで、
びっくりしました。
それはフレーバー・コーヒーだったのです。
フレーバー・ティーならぬフレーバー・コーヒー。
ヘイゼル・ナッツの香りのするコーヒーで、
一度淹れただけで、
部屋中にヘイゼル・ナッツの甘い香りが
満ちてしまったほどです。
束の間、天国に住んでいるのかと錯覚させられるほど、
幸福な気分になることができました。
特別な特別なコーヒーです。

それは正しくは
“シャーロット・ブレンド”というコーヒーで、
アメリカの高級食材店“ディーン&デルーカ”
(TEL:3284-7071)のものなのです。
今、日本に1店だけ支店がありますから、
ここで入手することができます。
シャーロットはアメリカ、
ノース・カロライナ州の高級住宅地の名前で、
ここにもディーン&デルーカの支店があるそうです。
とにかく一度試してみるだけの価値はあります。


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2003年7月17日(木)

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