服飾評論家・出石尚三さんが
男の美学をダンディーに語ります

第258回
私自身の宣伝文句です

Eブックというのを知っていますか。
私はまったく知りませんでした。
専門的には「電子組版」というのだそうです。
つまり印刷しないで本や雑誌が出来上がる。
絵や原稿をその機械に入れると、
右から本や雑誌となって出てくるらしい。

どうしてEブックの存在を知ったのか。
Eブックである『遊歩人』(月刊)という雑誌から
原稿依頼があったからなのです。
ある日編集者がやって来て、
「なにか原稿を書きませんか。
連載で1回7枚くらい・・・」と言う。
私はまずなによりも
『遊歩人』のタイトルが気に入りました。
ずばりそのもの、私のことではありませんか。

で、お引受けしてから話を伺うと、
Eブックだというのです。
そこではじめて印刷しないで本が出来る仕組を
教えてもらったわけなのです。

7枚であろうが10枚であろうが、
書き手にとって連載というのは、
当然、それなりの覚悟が必要になります。
テーマの立て方がしっかりしていないと、
途中で腰くだけになってしまうからです。

さて、何についてか書こうか、
少し考えてみました。
アレもある、コレも面白い・・・。
そもそも私は気が多いのです。
その結果、「せびろ」について書くことにしました。
せびろ、セビロ、背広。
日本人ではじめて背広を着たのは、誰なのか。
そしてそれはいつのことであったのか。

実はこのテーマ、
これまでに何度も構想だけは練ったものの、
筆をつけずに放っておいたものなのです。
長い間、資料の山が泣いておりました。

そうだ『遊歩人』には背広を書こう。
こうしてたいとるは「ひぜろ物語」。
背広は実は純然たる日本語であるからなのです。
『遊歩人』は1冊200円で、なかなか執筆陣も豪華です。
今、6月号が出ています。
もしよろしければ、立読でもしてみて下さい。
青山ブックセンターやリブロなどに置いてあります。


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2003年6月8日(日)

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