| 第257回特別な朝の、幸福な1時間
 早起きは得意ですか。私はダメです。というよりも寝るのが好きなほうでしょう。
 でも、早起きに対するあこがれは持っています。
 せめて6時半におきたらなあ、とか。
 あるいは毎朝6時に起きるようになったら、
 自分の世界が変わるだろうなあ、とか。
 もしも6時半に家を出るとしたなら、道が空いているでしょうね。
 いつもの半分以下の時間で
 オフィスに着いてしまうかも知れません。
 いや、電車を利用するとしても、
 楽々と座って行けるでしょう。
 第一、町の空気からして新鮮に感じられるはずです。
 オフィスに着いて、人びとが働きはじめるまでの2、3時間というものは、
 まったく自分だけの世界がそこにある。
 これほどゆたかで贅沢なことが他にあるでしょうか。
 ―どうして、突然、こんなことを考えてしまったのか。それはきのう「ディーン・アンド・デルーカ」へ
 行ってきたからです。
 「ディーン・アンド・デルーカ」
 あるいはすでにご存知の方もいらっしゃるでしょう。
 ニューヨークの、「超」をつけたくなるほどの
 高級スーパー・マーケット。
 世界中から極上の食材だけを集めてくることで有名な店。
 その「ディーン・アンド・デルーカ」が
 日本に初上陸したのです。
 ただしスーパー・マーケットではなく、カフェ&レストランとして。
 場所は東京駅近くの丸の内に(TEL 3284-7071)。
 どうもニューヨークのインテリアを
 そのまま移してきたかのようで、
 ガラスを使った明るい店内、高い高い天井、
 実に気持の良い空間になっているのです。
 コーヒーとパンがとびきり美味いのは
 言うまでもありません。
 しかもこの店の良いところは、毎日、朝7時から開いている点です。
 朝、いつもより早く起きる。
 そしてとりあえず「ディーン・アンド・デルーカ」へ行く。
 ゆっくりとコーヒーとパンを食べる。
 それは1時間の貴重な、幸福の時間でしょう。
 きっと名案がいくつも浮ぶこと間違いなしです。
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