服飾評論家・出石尚三さんが
男の美学をダンディーに語ります

第247回
手づくりジーンズの完成です

ジーンズの三大メーカーを知ってますか。
リーヴァイス、リー、そしてラングラーですね。
この間、ある洋品店でB級品を見つけました。
もちろん三大メーカーのひとつで、
値段は信じられないほど安い。
B級品ですから、
よく見ればどこかに欠点があるのでしょうが、
納得した上で買うなら問題はない。

私はその1本を買ったのですが、
あっ、と失敗に気づいたのです。
当然のことながら、股下の丈が長い。
ジーンズ・ショップに持込んで、
有料で丈詰めしてもらうのでは、
何のために安く買ったか分らなくなってしまいます。

しばし腕組みの後、名案が浮びました。
そうだ、セパレーツ式のパンツを作ろう。
つまりジーンズにもなり、ショートパンツにもなる。
よくサファリ・パンツなんかにありますよね。
膝上の周囲がファスナーになっているものです。

まず実際に穿いてみる。
で、ショート・パンツの丈を決めて、
鉛筆で軽くしるしをつける。
次に縫代(ぬいしろ)を計算しながら、
横一文字に切る。
台所からキッチン・バサミを借りて、
これで切ります。

仮に縫代を2cmづつ取るとすれば、
上と下とで、4cmということになります。
これにファスナー部分の重なりを1cmとすれば、
計5cm丈を詰める結果となるわけです。
この辺りは自分の股下に合わせて、
計算をしてみて下さい。

さて、次に接合部分の周囲の長さを計ります。
そして洋裁材料店に行って、オープンファスナーを買う。
もちろん色はジーンズに合わせて、
ぴったりの長さがない場合には、
簡単に長さを調節してくれます。
あとはもう、このファスナーを「上」の部分の裏側と、
「下」の部分の表側に縫いつけるだけで、完成です。

なにしろ手先が不器用なので、
2時間ばかり悪戦苦闘しましたが、
ほぼ、思い通りに仕上りました。
接合部分は多少、ギクシャクしていますが、
これまた手づくりの味わいだと慰めています。


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2003年5月28日(水)

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