第245回
汗のしみよさようなら
日ごろご愛読下さっている読者のT.Oさんから
以下の質問メールをいただきましたので、
お答えします。
■T.O様にいただいたメール
拝啓
ますますご隆盛の趣大慶に存じます。
平素は毎日おしゃれの哲学を教えて頂き
誠にありがたく存じます。
さて、本日はお忙しいところ誠に恐れ入りますが、
折り入ってお願い事があり、ペンを執りました。
と申しますのは、夏になりますと、
多くのビジネスマンは、背広に付着した汗しみに悩まされます。
某有名アナウンサーもテレビでおっしゃていました。
私自身も愛用のグレンチェックの背広についた
汗しみが取れなくて困っております。
夏のおしゃれの大敵である汗しみに
どう対処しておられるのか、
良い対処方法を伝授していただければ
多くのビジネスマンが喜ぶと思います。
まずは、書中をもちましてお願い申し上げます。 敬具
T.O.
■出石さんからのA(答え)
T.O様は汗かきのほうでしょうか。
実は私も暑がり屋の汗かきで、
夏は苦手なほうなのです。
それはともかく、お気に入りのスーツに
汗のしみが残ってしまったのは困りましたね。
その汗じみは、新しいものなのか、古いものなのか。
また、どの程度の汗じみなのか、によっても
違ってくるでしょう。
新しい、軽度の汗じみは比較的簡単に消すことができます。
でも、古いしみ、重度のしみは
やはり専門家にお願いすべきでしょう。
クリーニング店に相談してみることです。
通常の洗濯料に加えて、
しみ抜料が必要になりますが、
消すことはできるはずです。
これは汗じみに限ったことではなく、
すべてのしみについて言えるのは、
早ければ早いほど、落ちやすいのです。
避けなければならないのは、熱を加えること。
たとえばしみの上からアイロンをかけるのは、
かなりしみ抜きを困難にしてしまいます。
では、専門家はどのような手順でしみを抜くのか、
一応知っておくことにしましょう。
しみのついた布地の下に
和式タオルなどを敷きます。
要するにしみを上からたたいて、
下のタオルに移り取らせるのです。
それぞれのしみに合う洗剤、薬品を使いますが、
事前に必ず目立たない部分で、
色落ちなどの問題がないかどうかチェックします。
たとえば綿棒のようなものに少量の洗剤をつけて、
しみの上からトントンと根気よくたたく。
するとしみが下のタオルに移りますから、
タオルをずらして位置を変えます。
再びしみが移らないためです。
以上の作業を丁寧に繰返すことで、
たいていのしみは取れます。
しみが取れたら、同じ手順で洗剤を抜いて、終了です。
一般論ですが、腋の汗で困る人が少なくありません。
こんな時にはドレス・シールドという、
一種の汗パットが市販されています。
あるいは下着やシャツを早めに取り換えるのも
ひとつの方法でしょう。
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