| 第213回香り立つ、美しい生活
 ふだんオーデコロンを使っていますか。使っている人もいれば、使っていない人もいるでしょう。
 しかしその前に、オーデコロンとは何かを
 はっきりとしておくべきです。
 ひと口に「オーデコロン」と言っても今は意味が広いからです。
 もうほとんど香水(パルファン)に近いものまでを、
 「オーデコロン」と呼ぶ傾向があります。
 ごく単純に言って、香料濃度によって
 オード・トワレ、香水などの種類があるわけです。
 ここで私がお話したいのは、本来の意味での「オーデコロン」。
 つまり香料を数パーセント含んだ液体で、
 使いやすく、値段もそれほど高くはありません。
 オーデコロンは香りのおしゃれであり、
 身体につけて楽しむもの、という考え方がありますが、
 そうと限ったわけではなのです。
 今でも私は原稿用紙に万年筆で文字を書くことがあります。途中、想に詰ると、万年筆をオーデコロンで清めたりするのです。
 カット綿にオーデコロンを浸み込ませて、
 これで万年筆をふく。
 すると万年筆はきれいになり、気分もさっぱりとして、
 また書きつづけることができるのです。
 そもそもオーデコロンは消毒薬としてはじまったのですから、
 こんな使い方があっても良いのではないでしょうか。
 明窓浄机という言葉あります。窓が明るくて、机の上がきれいだと仕事がはかどる、
 という意味です。
 もちろん今はコンピュータ主流の時代ですが、
 キー・ボードをオーデコロンでふいて悪いはずはないでしょう。
 自分の手や指が直接ふれる所が、きれいで、消毒されていて、
 しかもかすかにいい香りがするのは気持の良いものです。
 たとえばクルマのハンドルなどもオーデコロンでふくと、当然のことながらさわやかさがいつまでも保たれるでしょう。
 試みに手近なものをカット綿でふいていると、
 いかにそれが汚れていたかに気づいて、驚いてしまうはず。
 オーデコロンで美しい生活をはじめてみませんか。
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