服飾評論家・出石尚三さんが
男の美学をダンディーに語ります

第206回
美しいドアの開け方

ドアを開けたことがありますか。
なに当り前のことを聞くのか、
と怒られてしまうかも知れませんね。
でも、最近は開けなくても開いてしまうドアが多い。
言うまでもなく自動ドアです。
自動ドアにもいくつかの種類があって、
軽く手を触れることによってはじめて開くものもあります。
一度ドアの前で、手を触れずに
立往生しているのを見たことがあります。
ドアの開け閉じもこれでなかなか難しいものです。

回転ドアも以外に難しい。
むかし縄跳びをした要領で、入ってゆくタイミングが難しい。
1人用ならまだ良いのですが、大型回転ドアはさらに難しい。
というのは一回に何人入るのが最適であるかが分らない。
2人はいいのか、3人でもいいのか。
自分が4人目に入って、他の人が窮屈な思いをしないだろうか。
私は回転ドアが苦手で、どこか他にふつうのドアがないものか、
つい探してしまうことが多いのです。

さて、そんなわけでここでは
ごくふつうのドアについてお話をします。
ノブに手をかけて、手前に引いて開ける。
もし女性と2人ならば、
男は「さあ、どうぞ」と言って
女性を先に入れてあげることになっています。

でも、他人の場合にはどうするか。
これが難しいのです。
赤の他人の場合でも、同じ建物のなかに、
ほぼ自分と前後して入ることが分っているなら、
軽く開いたドアを支えておくべきでしょう。

けれども日本のビルではほとんどそんなことはしない。
が、アメリカやヨーロッパでは
まずたいてい支えておいてくれる。
やってもらったほうは気分が良いものです。
自分の気分が良いことは、他人であろうとやってあげましょう。
自分がドアを開けて、建物のなかに入る。
すぐその後で人が入ってくるなら、軽くドアを支えてあげる。
ほんの3秒くらいの手間です。
たった3秒でおたがいの気持が和む。
もちろん自分がしてもらったときには
「どうもありがとう」と言いましょう。


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2003年4月17日(木)

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