| 第136回本日の馬市長(まーすーぢぁん)
 一ヶ月前になりましたが、去る7月16日に台湾野党第一党である国民党の総裁選挙が行われました。
 今年4月の「国共トップ会談」を花道に政界引退する連戦氏に代わって
 国民党主席の座についたのは、
 大方の予想通り馬英九(まー・いんぢょう)氏(55歳)でした。
 投票権のある党員は104万人、投票率は約50%で、
 そのうち37万票を獲得したということですから、
 対抗馬の王金平(わん・じんぴん、64歳)氏に対し圧勝、
 ということになりますね。
 馬英九氏は香港生まれの外省人(中国大陸出身者)です。陳水扁(ちぇん・しゅぇいびぇん)総統と同じく弁護士の出身で、
 蒋介石の息子の蒋経国総統の個人通訳を皮切りにキャリアを積み、
 1998年には当時現職市長であった陳氏を破って
 台北市長に当選しました。
 そういう意味では、
 国民党にとって打倒民進党の本命とも言える人物です。
 台湾では、蒋介石の率いる国民党とともに第二次大戦後の台湾に移り住んだ中国人を外省人、
 それ以前から既に台湾に住み着いていた人々を
 本省人と呼んでいます。
 外省人はもともと「大陸へ返り咲きたい」人々でしたが、
 今では「対中融和」を支持しています。
 馬氏も、国民党の方針である
 「大陸との交流対話」路線を踏襲すると思われます。
 ところが、実は外省人が台湾人口に占める割合は15%程度で、
 民主主義の論理からすると、
 比較的「独立志向の高い」本省人を取り込まないと、
 2008年の総統選挙には勝てないことになります。
 このあたりのバランス感覚が、
 今年3月に中国が合法化した
 「国家反分裂法」への強い非難となって現れています。
 また、台湾には日本における公明党とも言うべき
 「親民党」というワイルド・カード的な野党政党があり、
 主席である宋楚瑜(そん・つーゆぃ)という
 食わせ者の政治家をどう取り込むかがもう一つの課題といえます。
 ところでこの馬市長、甘いマスクの持ち主で台湾の女性、
 特におばさんたちに絶大なる人気を誇っております。
 また、テレビへの露出度も抜群で
 毎週末には必ずなんらかのコスプレ、
 あるいは被りものでイベントに参加されており、
 こちらの方も見ものです。
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