石原新さんが歩む21世紀型日本人ビジネスマンへの道

第98回
新しいボスは台湾人〜

2003年9月に日台合弁の会社を設立してから、
早1年9月が経過しようとしています。
この6月末には日本側持分の台湾側への売却が決まり、
7月からは完全に台湾資本の会社になります。

会社設立当時から、新会社の董事長(会長)には
株主である葉(イェ)氏、総経理(社長)には私が就任しました。
董事長自身が経営している会社は
新竹の科学工業園区内にある
ファブレス(自前の工場を持たない)のIC設計会社で、
新会社はその子会社、という位置づけになりました。
我々の主力製品である
センサーモジュールを制御するICコントローラを
親会社でデザイン・供給することにより、
コスト競争力、あるいは新製品提案力が増すことの相乗効果を狙い、
合弁(最終的には買収)に踏み切りました。

親会社には500人弱、子会社には約70人の社員がいますが
日本人は私唯一人です。
当初は、お互い英語を使って会話していましたが、
最近私の方からは
なるだけ北京語を使って話しかけるようにしています。

経営手法というものは各人各様で、
日本式経営・台湾式経営と一概に言えるものではないと思います。
私自身、台湾人経営者とともに仕事をするのは初めてなので、
他の人との比較ができない事もあります。
葉氏の場合技術者出身ということもあり、
「強引なトップダウン方式のやり方ではない」というのが、
副経理の譚(タン)さんの意見です。

これまでの会社運営では、
大部分お互い納得しながら進められているのですが、
それでもやはり考え方の違いはときどき感じます。
最も顕著なのは成果に対するシビアさで、
短期的な結果を非常に重視します。
それと、報酬に対する考え方で、
基本給を低く抑え、利益が出たらその多寡に応じて
社員の貢献度に応じ配分するという考え方、
これはなるほど合理的ですが、
今までの(海外駐在社員としての)自分の報酬は一体何だったのだ、
とわが身を振り返らざるを得ません。
結果が出なければ明日は無いという、
厳しいですがこれがプロの世界ですね。
がんばります。


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2005年6月22日(水)

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