石原新さんが歩む21世紀型日本人ビジネスマンへの道

第85回
台湾にも健康ブームが

ギラギラと照りつける太陽のもと、
牛肉麺(にょーろーみぇん=油で炒めた砂糖に醤油、
唐辛子を加えたスープに
八角で煮込んだ牛肉がごろんごろんと入っている麺、辛い)や
麻辣火鍋(まーらーほぉーごー=オリジナルは四川、
の真っ赤な激辛スープの入った鍋に海鮮や肉、
野菜等色々な具を自分の好みで選んで食べる、
初めての方は食後のお腹の具合に注意)をモリモリ食べて
汗をいっぱいかき、
夏バテとは無縁のパワフル人間に見える台湾人たちも、
最近はちょっとお疲れのご様子です。

台湾の会社でも、
業容の拡大や他社との競争激化によって仕事の量は増える一方で
社員一人一人に対する負荷が増大したり、
度重なる海外出張やキャリアアップのための学習で
時間に追われる生活が続いたりで
日々のプレッシャー(壓力=やーりー)が大きくなっています。
台湾衛生署によると、15歳以上の台湾人男女のうち
躁鬱症に罹る人の割合は10人に1人、という調査結果がでています
(ホンマかいな?という気もしますが・・・)。

このような時代環境の変化のもと、
スパやヨガ等スポーツクラブでの運動、
有機農薬や自然素材を使った自然食品を摂取することが、
ストレスを解消し、健康を保つ手段として
台湾人の間にも浸透してきています。

台湾でスパといえば、
ちょっと前までは金と時間を持て余した有閑マダムが
美容のため運転手付の車で乗りつける
社交クラブのような印象でしたが、
最近では働き盛りの三十代の社会人の利用が増えているそうです。
忙しい海外出張の最中に
ヨーロッパの人々が
どのように仕事のストレスを解消しているのかを見聞したり、
日本人観光客が
「肯園」等有名な台北のスパ施設に足繁く通うのを見て、
「なるほど、こんな良い場所があるのか」と気づいたり、
また、それだけのおカネを使える
経済的な余裕が出てきたことも重要な要因と思います。

「健康」が消費のキーワードになってきていることは、
台湾も成熟社会の一員になりかけていることの
一つの証左かも知れません。


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2005年6月3日(金)

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